ハカルワカル広場だよりの主要記事 巻頭寄稿文とハカってワカった話を抜粋しました。
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投稿者: hachisoku
12月定例お茶会 「ジャビルカ」上映会のご案内
師走の12月となりました。12月7日(土)定例お茶会のご案内です。
12月の定例お茶会は、測定振り返りの後、浜岡原発見学ツアー報告&映画「ジャビルカ」上映会となっております。この映画は 2014年6月21日(土) 第6回映画会で上映された映画で、 アボリジニのウラン鉱山開発に抵抗する抵抗運動、オーストラリア環境団体も応援しての運動で、採掘が止まるすばらしい映画です。 京都精華大学の細川 弘明 さんがその映画の時来てくださり「その後」も話してくださいました。
しかしジャビルカ鉱山は止まっても、田中角栄首相のトップセールスにより北部のレンジャー鉱山、南部のオリンピックダム鉱山は開発され、日本の原発へウランを輸出し、 2011年3月11日に福島第一原発事故によりオリンピックダム採掘のウラン核燃料がメルトダウンし最悪の大規模な放射能汚染が起きてしまいました。
とき: 12月7日(土)10時~12時
ところ:ハカルワカル広場
ハカってワカった話 まぎらわしい誤検出
ハカってワカった話 まぎらわしい誤検出
二宮 志郎
まぎらわしい誤検出
今回の測定結果表、八王子北野の落ち葉がCs137が382Bq/kgでびっくりするような高い数値なんですが、よくみるとCs134が347Bq/kgで、これは明らかに何か変だと気づきます。福島由来のCs134は事故後の年数を経てCs137に対する比率では1/10以下になっているはずなのに、ほぼ同じに近い値が出ています。最近に新しい事故でも起こっていない限りこういう数値はありえないので、このCs134は自然放射能の影響で大きく誤検出していることは明らかです。さらに検体重量に注目すると、なんとたったの39gです。これではまともな測定値は期待するのは無理です。
ただ同じように、八王子北野の落ち葉で89gという少ない検体量だった2019年1月8日の測定では、はっきりとCs137が検出されています。この両者の違いをスペクトルで見てみましょう。
下の赤線の方はピークがCs137の存在を示す662keV付近に来ていますが、青線の方はかなり左の方にずれています。青線の方がはっきり示しているのはBi(ビスマス)214の609keVとPb(鉛)214の352keV、295keVのピークです。青線の方には662keV付近のピークはほぼ見られず、Cs137の存在は確認できないと見るべきでしょう。
落ち葉は新鮮な雨水で湿っていたのか?
Bi(ビスマス)214、Pb(鉛)214は天然のラドンガスが崩壊してできてくるものですが、雨水に多少含まれています。それも数日で急激に減っていくので、新鮮な雨水でないと、あまり検出されません。
おそらく10月16日測定の落ち葉は新鮮な雨水で湿っていたのでしょう。そのせいでBi214, Pb214といった自然放射能が含まれて、それが出す放射線、特にBi214が出している609keVのピークを誤検出して、それが39gという少ない検体量だったせいで、誤り部分が拡大されて、結果的に大きな数字になってしまったようです。
Cs134は何故誤検出される?
Cs134を示すピークは605keVと796keVに強く出てきます。605の方はBi214の609と近すぎて分離不可能ですから、Cs134の見極めは796keVの存在にかかってきます。
再びスペクトルに注目します。赤線、青線、いずれの方を見ても796あたりにピークらしきものは見当たりません。Cs134はほとんどないということを示しています。「人間の目には明らかなのに何故測定器は誤った数値を示してしまうのか?」と疑問に思われるかもしれません。
ハカルワカル広場にある測定器にはAIが搭載されているわけではなく、ある種の計算式から機械的にCs134の存在量を算出しているだけです。どうもその計算式のもっている癖のせいか、K(カリウム)40の1460keVが高くでて、スペクトル全体が底上げされたような形になった時にはCs134が誤検出として出てくるようです。そのせいでゼオライトを測った時にはかならずCs134が誤検出されます。
人間が見てよく考える、それが必要
AI搭載型測定器が出てきたら状況は変わるのかもしれませんが、今はまだまだ測定結果の数値を人間がよく吟味することが必要です。ポイントは「絶対ありえないような数値が出てきたらまず疑う」ということでしょう。いくら温暖化現象が顕著だとはいえ、家の温度計がいきなり50度を表示したら、みなさん「温度計が変」と疑うでしょう。それと同じことです。
AI搭載型になったら? 測定値に対する判断はかなり正確になるかもしれませんが、「その数値を見てどうするの」と考えるのはやっぱり人間でなければならないでしょう。
ハカルワカル広場だより31号 廃炉を考える 渡辺敦雄
廃炉を考える
元東芝原子力技術者 渡辺敦雄
1.経緯
去る10月5日、ハカルワカル広場の茶話会で、11月10日に予定の浜岡原発見学に寄せて話題提供を依頼された。その講演内容を寄稿する。
筆者は、1971年に東芝に入社し、浜岡原発(以下浜岡と略記)1~3号機の基本設計を担当した一人である。今回のテーマである浜岡の廃炉は、自分が設計した原発をいかに安全に終息させるかの、筆者にとって最後の仕事であり、この小論を契機として原発の安全安心な終息方法を読者の皆様と考える機会を共有できたらうれしい限りである。
2.原発の恐ろしさ
エネルギー源の選択をする上で、地球市民の一員として、以下の観点を考慮しなければならない。
①安心できるか ②分散型で、地産地消に向いているか ③低二酸化炭素エネルギーか ④国際的に独立しているか ⑤再生可能か ⑥高効率か
この観点から、原発は絶対に選択できないことを以下に述べる。
原発は必ず事故を起こす。原子力は、他の、宇宙開発、海洋開発、医学などの巨大技術と比較し、以下の点で事故があった時の質と規模の次元が全く異なり、人類には制御不能な恐ろしいエネルギー源である。
(1)放射線障害は種の保存への障害(遺伝子損傷)であり、事故被害額も電力会社単独で責任が取れないほど膨大⇒実際に、放射線を使用して、人類に害をもたらす生物種の絶滅をした例もある
(2)使用済み核燃料の放射能の処理方法がない(プルトニウム239は10万年の管理が必要)
だが、原子力発電はたかが電気をおこすための技術であり、自然エネルギーという代替法がある。
従って、原発終息の根拠は、放射線被害に関し、他の害(「交通事故死亡率」や「たばこの発がん率」)と比較して科学的に議論ができないため、技術論争ではなく、「後世に負の遺産を残すか、残さないか」の倫理の問題である。
3.廃炉と浜岡の廃炉工程の現状
(1)「廃炉」ではなく、「永久停止」を求める
福島第一原発事故のような事故後の対応は別として、通常運転停止後の廃炉は、
①原子炉停止⇒ ②使用済み燃料を安全に保管⇒ ③系統除染・汚染水保管⇒
④即時解体⇒ ⑤放射性廃棄物保管⇒ ⑥土地の再利用・復旧、という工程を踏む。
しかし、廃炉とは異なる、「永久停止」という方法がある。永久停止とは、原則的に施設は解体(上記④以降)せず、そのまま安全保管(例えばコンクリートで覆う)する手法である。この手法は、廃炉措置と比較して、以下の点で優れている。
① 放射性廃棄物の総量は、廃炉よりはるかに少なく、経済的
② 作業員や近傍住民への被ばく影響が少ない
(2)浜岡の廃炉工程の現状
そもそも英国などでは、放射能の低減を待ち、100年停止して廃炉に入る工程が採用されている。100年待機の工程が望まれる中、日本では、停止した原発は直ちに廃炉措置を開始し40年ぐらいで終了と、なぜか廃炉を急いでいる。
浜岡1~2号機の廃炉措置は2009年に開始し、2036年に終了予定である。各段階10年程度で、全4段階ある。現在施設のすべての放射能濃度の検査(第1段階)を終了し、第2段階に入った。
現時点では、汚染度の低い、建物の外側の電気設備や空調設備の解体を終了し、いよいよ排気塔の撤去に取り掛かる予定である。
ただ、排気塔の解体・撤去は、放射性塵埃が多量に環境に放出される恐れがあり、作業員にも近隣住民にとっても、注意を要する。
(3)廃炉費用
電力会社の発表では1基の廃炉費用は数百億円といわれている。東海原発の実績では、1000億円である。しかし、この費用見積りには、① 汚染物の廃棄場所 ② 地元への補償 ③原状回復、などの費用が含まれていないので、これを含入すると、6000億円にもなる、とのスイスの予測評価も報道されている。経費削減(すなわち電気料金の削減)の観点でも、廃炉より永久停止が望まれる。
4.浜岡の今後
浜岡は、以下の理由で、世界の約400基の原発の中でも著しく危険性の高い原発である。よって、早急に永久停止をしなければならない。
① 30年以内に必ず発生する南海トラフ巨大地震の発生予測場所近傍にある
② 発電所の地下に複数の活断層がある(このため、原子炉が海側に配置)
③ 遠浅で、海水取水管が600ⅿもあり、地震に弱い
④ 立地場所が日本の中心地にあり、事故時に、日本の基幹道路・鉄道・空路などの経済動脈の使用禁止による影響が計り知れない
⑤ 被害想定額は、日本の国家予算と等しい100兆円超、と予測できる
5.おわりに
福島第一原発事故は人類史上最悪の原発事故であった。ドイツは、2011年6月の段階で、2022年までに原発の全廃を決定した。その後スイス、イタリアなどが追随した。日本は当事者であるが、いまだ原発推進国である。日本の義務は「事故を2度と起こさない」こと。
「危機こそチャンス」である。自然エネルギー開発への先導者となって、結果的に世界の核兵器の廃絶につながるエネルギー大変換を遂げ、21世紀の世界モデルを創り、「原発永久停止」を50年後の孫たちへ誇れる最大の贈り物としよう。
10月5日(土)お茶会「廃炉を学ぶ」
ハカルワカル広場です。
10月のお茶会は次の要領で行います。
*とき:10月5日(土)10時~12時
*ところ:ハカルワカル広場
*テーマ:「廃炉を学ぶ」
*講師:渡辺敦雄さん
講師の 渡辺敦雄さんは 11 月に見学を予定している浜岡原発、その1,2,3 号機の基本設計を担当した技術者で、その中枢で原発に関わり、原発設計をした立場から廃炉の方法や、原発につい ての恐ろしさ、浜岡原発の今後に関してのお考えをお聞きできると思います。
また現在、渡辺氏はその経験を活かし、多くの市民と共に、コスタリカに学ぶ会や上野原憲法九条の会で 活動され、「安保法制違憲訴訟」の原告として、また「東電株主代表訴訟」や「福島生業裁判」などで原告 側の証人として法廷に立たれています。
今、私たちが何をしなければいけないのか、共に考える機会になれ ばと思っております。貴重な機会です。たくさんの皆さんのご参加をお待ちしています。
詳しくはこちらをご覧ください → https://hachisoku.org/blog/?p=6436
なお、第4回浜岡見学ツアーを11月10日(日)に実施いたします。「廃炉を学ぶ」ツアーであり、現地で反対運動をされている方たちとの交流、応援のツアーです。どうぞ奮ってご参加ください。
詳しくはこちらをご覧下さい(応募フォームもあります)。→ https://hachisoku.org/blog/?p=6297
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
ハカルワカル広場
2019.9.24
10 月のお茶会は、11 月に見学を予定している浜岡原発、その1,2,3 号機の基本設計を担当した渡辺敦 雄氏をお迎えして、廃炉についての学習会を企画しました。浜岡に限らず、これから多くの原発が抱える廃 炉という問題。技術者としてその中枢で原発に関わり、原発設計をした立場から廃炉の方法や、原発につい ての恐ろしさ、浜岡原発の今後に関しての考えをお聞きします。
また現在、渡辺氏はその経験を活かし、多くの市民と共に、コスタリカに学ぶ会や上野原憲法九条の会で 活動され、「安保法制違憲訴訟」の原告として、また「東電株主代表訴訟」や「福島生業裁判」などで原告 側の証人として法廷に立たれています。今、私たちが何をしなければいけないのか、共に考える機会になれ ばと思っています。貴重なお話です。たくさんの皆さんのご参加をお待ちしています。
ハカってワカった話-広島・長崎から74年
二宮志郎
物理法則は裏切らない
今回の測定結果表を見ると2011年産の茶葉が4番目の位置にあります。これは、2012年3月14日に測定したものを、7年4ヶ月間測定室で保管していて、それをもう一度測ってみたものです。中身が外部に漏れ出ないようにきちんと保管した場合、放射能は物理的半減期によって減るのみです。Cs137は半減期30年なので、7年4ヶ月での減少分は約16%で、このレベルの減少は測定誤差に隠れてしまって、測定結果はほぼ減らないということになってしまいます。2012年の時のCs137の検出値は237Bq/Kgで、今回の測定結果は235Bq/Kgとほぼ同じような数値が出ています。測定方法に若干の改善があったので、16%の分はその改善分程度ということのようです。
放射能は、その物理半減期を通して減っていくということに関しては決して裏切りません。半減期以上に崩壊を早める研究もあるようですが、何やら巨大な設備とエネルギーを使ってやっとほんのわずかという程度で、「毒を消すためにもっと強烈な毒を使う」という感があり、実用には程遠いです。
広島・長崎から74年
この原稿を書くのが少し遅れてしまったせいで、8月6日、9日が過ぎてしまいました。「原爆の爆発時に大量に発生した放射能は74年を経てどうなっているのだろう?」という疑問が湧いてきます。半減期30年のCs137であれば、74年間で約18%にまで減少します。かなり減っているとはいえ、元の量が1000Bq/Kgであれば180Bq/Kgということですから、まだまだ測定可能な量で残っているはずです。
「国立国会図書館デジタルコレクション」の中に「東京電力株式会社福島第一原子力発電所および広島に投下された原子爆弾から放出された放射性物質に関する試算値について」というタイトルの資料があります。 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/6017196
これを見れば、福島原発事故と広島原爆で放出された放射能の量を比較することができます。Cs137だけ比べれば、福島原発事故は広島原爆の約170倍の量を放出しています。
意外と少ない原爆の長半減期残留放射能
広島原爆が放出したCs137は福島事故の約1/170とはいえ、広島上空で一瞬の爆発によって放出されたわけですから、かなり高濃度に地表を汚染したのではないかと思われるのですが、実際はそうでもなかったようです。
そもそも、そういう調査資料があまり存在しないのか、あるいは存在するが公表されていないだけなのか、インターネットでリサーチするレベルではほとんど見つかりません。今中哲二さんがつい最近(2018年)に調査結果を発表しているのですが、それを見てもデータの入手にはかなり苦労されているようです。今中さんの調査では結局原爆由来のCs137を示す確かなデータは得られなかったようです。今中さん達は2013年に早期入市者への入念な聞き取り調査の結果「ある『広島原爆早期入市者』の記録」も発表していて、大変興味深い話です。(インターネットで検索すればすぐ出てきます。)
黒い雨に打たれた人や、家族を探しに早期に爆心地に入った人達がひどい放射能障害に悩まされた話を聞いて、かなり激しい残留放射能があったことを想像していたのですが、Cs137の様な半減期の長い放射性物質がほとんどないというのは意外なことでした。
長半減期放射能は今もどこかにある
どうして広島・長崎で出た長半減期放射性物質を調査した資料が少ないのだろう?と思うと同時に、ハカルワカルを始めてから8回目の原爆記念日を迎える時までそういうことを考えてみなかった自分自身の想像力の乏しさも痛感します。
前述の資料によれば広島原爆が放出したCs137の量は89兆ベクレルと試算されています。物理法則は裏切らないので、その18%、約11兆ベクレルの広島原爆由来Cs137は、幸いにも広島の地では明確に検出されていないようですが、今もどこかにあるのです。もちろんCs137以外にも長半減期の放射性物質はあります。物理法則には逆らえませんが、「これ以上増やさない」ということはできるはずです。
7月6日(土)定例お茶会「地域に根差した草の根活動・・・ 先駆的お二人(山本智恵子さん、斉藤金夫さん)に聞く」
山本智恵子さんのお話「子どもの健やかな成長を願って」の草の根運動
私は一介の主婦にすぎません。でも子供たちの命と健康を守りたいとこの50年、草の根で運動をしてきました。この運動は1960年代に暮らしていた立川のけやき台団地で始めました。1970年代に入ると、高度成長で物価が上がり、公害問題が多発しました。そんな時、春山猷子さんに出会いました。彼女のミニコミ誌「とんねる」がポストに入っていて、「子どもの命を守り、よりよい社会を目指す」という活動目標に心を揺さぶられ、ともに活動を始めました。
初めに取り組んだのが「安全な食べ物とは何か」でした。農薬を使わない有機農法について学び、そのような作物を作っている生産者(人間らしい生き方、繋がりを求めて大地と格闘している全国の青年ら)とつながりました。有機農法の野菜を共同購入し、主婦市場で売りました。リヤカーで運び自転車で駆け回る生活でした。安全な食べ物だけでなく、合成洗剤を使わない運動、ベトナム戦争の加害国の国民として、ベトナムへ米を送る運動もしました。日本消費者連盟の元になった運動にもかかわりました。1974年に使用禁止となった添加物のAF2はハムや豆腐の殺菌剤ですが、初代会長となった竹内真一さん(主婦の熱意に、官僚をやめて消費者運動に飛び込んだ方)の方針で、豆腐屋を1軒1軒回って協力を訴え、草の根から禁止に持ち込みました。
八王子市北野台に転居してからは、鈴木俊夫さんという、健康診断で血液中から残留農薬が検出され、有機農法へ大転換した青年と知り合い、主婦たちで援農に行き、生産者とつながりを持ちながら共同購入をしました。価格は生産者の希望通り、全品買取りをルールにしました。私は運動をする時は一人でやり始め方向性が決まってから周囲に声をかけるんです。 1986年のチェルノブイリ事故で放射能汚染の恐ろしさを知り、高木仁三郎さんを招いて講演会を開いたり、測定室を作る運動もしました。八王子中央診療所の創設者の星川光義さんたちと原発反対運動もしました(この方は八王子教職員出身で、最後はお一人で原発反対運動をされていたそうです)。しかし福島原発事故を止められなかった。放射能の危険性を知りながら止められなかったことは申し訳ない気持ちでいっぱいです。その後は、遺伝子組み換え食品、BSE問題、産地偽装問題、環境ホルモンの問題などに取り組んできました。今はゲノム編集食品の表示を求める運動に取り組んでいます。日本政府は、企業の側に立ち、なかなか国民の健康を守る立場に立ってくれません。私たちの運動はそれに抗う運動でした。そして、これらの運動は、自分だけが無農薬野菜を食べれば済むという運動ではなく、子どもたちの健やかな成長のために、どのような社会を築いていくかという運動だったと思います。
【追記】山本智恵子さんは、ハカルワカル広場をつくる運動で測定器を購入する資金を集めたとき、ご自身の繋がりのある地域の方々に声をかけて、たくさんのお金を集めてくださいました。
*参考文献・・「安心して食べたい、食べさせたい!」
(ほんもの食べ物を守り育てる会・山本智恵子著)
山本さんの半世紀の活動の記録です。測定室にも置いて貸出しています。
斉藤金夫さんのお話「原発の危険を訴える運動」
「え~!本当なの!?」八王子市がヨウ素剤を備蓄していたと話すと、西田照子さんは驚きました。今年の3月、ハカルワカル広場が「ヨウ素剤を全市民に配布してください」という請願を八王子市にしていた時のことです。そしてぜひその話をお茶会でして下さいとのことで今日はここに来ました。
原発を54基も建設し、「絶対に安全です」といっていた国と東電でしたが、私たちは原発の危険性を訴える運動をしていました。2004年5月24日、八王子総行動(*)で、市の防災課に「ヨウ素剤配備の要請」を行い、毎年その要請を行っていました。防災課(長)にヨウ素剤の必要性を認識してもらいたいと、様々な資料を届けました。特に2003年1月、市は川越市と「災害時における相互応援に関する協定」を結んでおり、その川越市は1994年に首都圏で初めてヨウ素剤を配備していました。このことを指摘すると課長は「勉強したい」と答え、2006年11月16日の要請に、「市の大規模災害時の緊急薬品にヨウ素剤2000錠を加え、保管場所の東海大病院と東京医科大八王子医療センターに預けました」との回答をしました。しかし、私たちはこれを大々的に宣伝せず、防災課の判断を尊重しました。
ところが2011年3月11日の福島原発事故の後、市の保健所から私たちに電話があり、「ヨウ素剤を供出してほしいと国が言っているがどうでしょうか?」とのこと。「保健所の判断に任せます」との対応をしました。八王子のヨウ素剤が原発事故に役立ちました。(文責:西田照子)
(*注:八王子総行動実行委員会とは、八王子市内の労働組合、民主団体、業者団体などでつくっている団体で、これまで37年間、企業や官庁、八王子市に種々の要請を行ってきた。どなたも自由に参加可能です)
【飯館村の絵】飯館村の線量が高くなった原因は地形だった。全村避難だったのに特養老人ホームに16人が残っていた。モニタリングポストの周りだけが徹底的に除染されていた。
9/7 第22回映画会 第八の戒律
第八の戒律 DAS ACHTE GEBOT
(1991年 / ドイツ / 95分 / 監督:ベルトラム・フェアハーク &クラウス・シュトリーゲル / 制作:デンクマル・フィルム )
海に流し、拡散したはずだった放射能は、 今、海岸に戻ってきて、じわじわと生命を蝕んでいる ヴァッカースドルフ再処理工場の建設は中止された。鉄柵は解体された。
しかし核廃棄物は残る。カメラは世界中から核廃棄物が持ち込まれるフランスのラ・アーグ、 イギリスのセラフィールドへ向かう。そこで見た放射能汚染の現実は‥‥
題名はモーゼの十戒第八「偽りの証言をしてはならない」を意味する。
原子力開発の 50年、それは嘘とごまかしの歴史だった。原子力産業を推進してきた科学者、 政治家、事業者は一体何をしてきたのか‥‥彼らのやり方と言葉は、なぜ国を超えてこうも似 ているのか。
核開発と原子力利用の実態をグローバルに俯瞰し、人類、生命への脅威ととらえ警鐘を鳴らす 問題作。あなたは、どうしますか?
制作者インタビューより
「映画『核分裂過程』を撮ったことにより、どんなに巨大な企みが画策されているかを明らかにしたい という思いに駆られました。『第八の戒律』は原子力 40年の歴史を描こうという試みです。これは実は 民主主義に ついての、共に生きる方法についての作品なのです。」(ベルトラム・フェアハーク)
8/29~9/19 北ドイツの反原発ポスター展開催
1970 年代から30 年以上にわたって反原発運動を展開している北ドイツの村、ゴアレーベン(Gorleben) に移住したアーティストたちが作成したポスター展を行います。
この村では、1970 年代に核のゴミがこ の村に運ばれることになったことをきっかけに反原発運動がはじまり、現在まで続いています。
地元の NGO が「ゴアレーベン・アーカイブ」を立ち上げ、反原発運動の記録を保存、管理しています。
3.11 の 震災による福島第一原子力発電所事故は、ドイツの人々にも大変大きな衝撃を与え、アーカイブの関係 者は、原発事故を体験した日本の人々にも、この運動の輪を広げていってほしいと貴重なポスター類を 主婦連合会/主婦会館に寄贈しました。
このコレクションをハカルワカル広場で公開展示いたします。
主婦連合会のご厚意によりお借りできまして、深く感謝申し上げます。
第21回ハカルワカル広場映画会 祝福(いのり)の海
監督 東条雅之 ドキュメンタリー映画
色とりどりのいのちが暮らすこの地球(ほし)で
いのちが喜ぶ暮らしとは? 世界とは?
平和を求める旅の中で、出会った人たちの
暮らしや言葉が紡がれて
ドキュメンタリー映画となった
今、母なる地球とすべてのいのちと繋がりを取り戻すために
3.11以降の生き方のヒントがここにある
「見て」「聞いて」「感じて」!
5月11日(土)お茶会 ハカルワカル広場にて上映します。
参加費は500円です。どうぞご参加ください。
2019/04/09
ハカルワカル広場