ハカってワカった話26号 シジュウカラ巣の放射能はやはりコケから

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シジュウカラ巣の放射能はやはりコケから

二宮 志郎

前号で シジュウカラの巣の中身から異常に高い放射能が検出されたことを報告しました。その後、7月11日に巣の中身のコケだけより分けて測定しています。その結果、セシウ137と134合わせて約2900Bq/kgと出ました。これは巣箱の中身全体を測った時に比べて約1.7倍の数値で、高い放射能は鳥が集めたコケから来ていることが確認できました。

高いとは言っても、今回一生懸命より集めたコケは30g程度にしかすぎません。「290Bq/kgの土が300gあるのと同じ程度の放射能ではないか」と思う人がいるかもしれません。

3000Bq/kgが30gと
300Bq/kgが300g、どちらが怖い?

そこに含まれている総量の放射能を考えると、
3000×0.03 = 300×0.3 = 90 Bq
ということになり、同じです。ICRPの基準で考えれば、まるごと全部食べたところで、ほとんど人体に与える影響はないということになります。しかし、シジュウカラはきっと「巨大な体を持つ人間と同じ基準を当てはめられたらかなわない」と言いたいところでしょう。

こういう汚染物質から出てくる放射線の影響をもう少し具体的に考えてみましょう。

低密度汚染だが比重が大きい場合
(300Bq/kgが300g)

久しぶりにラジ男に登場してもらいます。

土の様なものでは、ラジ男(放射性セシウム)は砂粒の様なものの中に含まれています。ですからラジ男の周りには大きな体積の砂粒に相当する物質があります。そういうラジ男が並んでいる様子が前掲の図です。

ここでラジ男がみんな上に向かって小石を投げていることを仮定します。そうすると、上段列のラジ男の小石は上の方に飛んで来やすそうですが、下段列のラジ男の小石は上の方のラジ男を取り囲む物質に妨害されて上の方まで届きにくそうです。ラジ男を取り囲む物質がどのくらいラジ男の投げた小石を妨害するかによりますが、実際砂粒のような物質は空気に比べてはるかにその妨害効果が大です。

高密度汚染だが比重が小さい場合
(3000Bq/kgが30g)


この場合、ラジ男の配置は上の図のようになり、ラジ男を取り巻く物質の範囲はかなり狭く、それ以外のところは空気に満たされています。

見て明らかなように、この場合は下段列のラジ男の小石もかなり上の方に飛んで行きそうです。

結局、このラジ男軍団の上にいて攻撃を受けることを考えれば、後者の方が前者より危険だということになります。

高密度汚染物質はやはり要注意

比重が小さく総量は大きくならないからと言って、高密度汚染物質をあなどるべきではないです。たった30gとはいっても、そこにくっついて生活するシジュウカラ。ましてや子育てまでもするわけです。影響は決して無視していいものではないでしょう。

注)ラジ男の詳しい話は小冊子「放射能ってなんだろう?」にあります。ホームページからダウンロードできます。

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