ハカってワカった話18号 意外に高い岩手産原木椎茸、コシアブラは例外的に高い

意外に高い岩手産原木椎茸、コシアブラは例外的に高い

二宮 志郎

今回は少し早めの発行ということで、測定データが約2ヶ月半分しかありません。それでなくても測定検体が減っているのに期間まで短くなりましたから、件数はかなり少なく、表を埋めるために微量放射能漏れ監視プロジェクトのゼオライトの分も含めて検出したもの全てを載せています。

いつもこの表を眺めながら、「今回のハカってワカった話の話題は何にしようか」と考えるのですが、いよいよそこからネタが出にくくなってきました。測定結果と全然関係ない話を書くと「タイトルに偽りあり」ということになってしまうので、もう少し測定結果をネタにすることにしがみついていこうと思います。そうなると今回話題にできるのは、岩手産原木椎茸と、長野産コシアブラになります。

意外に高い、岩手産原木椎茸

岩手県奥州市産の原木しいたけでCs137が122Bq/kg出ています。とは言っても、これは検体重量が53gと非常に少量であるためかなり不正確な数字です。Cs134の方も検出されていますが、スペクトルではそれらしきものが見られないので誤検出扱いになっています。おそらくCs134もCs137の1/5程度は含まれているでしょう。

岩手県は福島からはかなり離れたところになるので、感覚的には東京あたりと同じだろうとなるのですが、その感覚からすると、いくら原木椎茸とはいえ120Bq/kgというのはかなり高い数値です。

しかし、汚染マップで奥州市の位置を確認すると少し納得です。奥州市の南に島のようになって汚染の高い地域があり、奥州市も周囲に比べてやや高めの地域に区分けされています。そういう地域の原木椎茸はまだ100Bq/kgを超えてくる状況だということですね。

(早川マップの一部を転載)

コシアブラは例外的に高い

長野県栄村産のコシアブラも、検体重量が149gと小さいので、Cs137が70Bq/kgという測定値はかなり不正確です。スペクトルではCs134のピークもしっかり見られるので、Cs134が検出できていませんが存在していることは間違いないです。

長野県栄村は八王子に比べても福島原発事故の影響が低いのではないかと思えるくらいの場所ですが、それでもCs137が70Bq/kgというのですから、やはりコシアブラ恐るべしです。私達も初めてコシアブラを測定した時はびっくり仰天だったのですが、その後いろいろ情報が入ってくる中で、「高くて当然」という感覚が身についてしまって、ちかごろはもう驚かなくなってしまいました。栃木県の道の駅で売られていたコシアブラが1600~2200Bq/kgの汚染を検出したというニュースも最近ありました。

とにかく、関東・東北あたりのコシアブラを食べる時はそれなりに覚悟の上で、ということですね。

椎茸にしてもコシアブラにしても、一回食べてしまったら「これは大変」というようなレベルの汚染ではありません。目に見えない形で放射能が蔓延する社会がじわじわ人類に影響をあたえているということでしょう。政治の世界は右にしても左にしても、それを是とするのか否とするのか、ちっとも真剣に考えてくれてないのが悲しい限りです。

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