今年の筍は?、桜の花びら、定点観測の勧め
二宮 志郎
2月1日~4月26日測定結果
測定データの集計表は2014年2月1日〜2014年4月26日分になります。
検体種類 | 検体数 | Cs137 | Cs134 |
土・砂 | 31 | 27 | 27 |
土混じり植物 | 3 | 2 | 2 |
土・その他 | 2 | 2 | 2 |
泥、泥水 | 0 | 0 | 0 |
池水、川水 | 0 | 0 | 0 |
雨水・雪 | 2 | 0 | 0 |
水・その他 | 0 | 0 | 0 |
葉菜 | 3 | 0 | 0 |
根菜 | 2 | 0 | 0 |
果実・果菜 | 2 | 0 | 0 |
穀類 | 10 | 1 | 1 |
きのこ類 | 7 | 7 | 5 |
魚介類 | 2 | 0 | 0 |
肉類 | 0 | 0 | 0 |
卵類 | 0 | 0 | 0 |
水産加工品 | 1 | 0 | 0 |
肉類加工品 | 0 | 0 | 0 |
野菜・果実類加工品 | 1 | 0 | 0 |
穀類加工品 | 5 | 0 | 0 |
飲料 | 2 | 0 | 0 |
食品混合 | 0 | 0 | 0 |
茶葉 | 1 | 0 | 0 |
ペットフード | 0 | 0 | 0 |
芽・茎野菜 | 11 | 4 | 3 |
海草類 | 0 | 0 | 0 |
食品・その他 | 3 | 0 | 0 |
植物葉 | 5 | 4 | 3 |
植物茎・枝 | 1 | 0 | 0 |
植物根 | 0 | 0 | 0 |
木質ペレット | 1 | 1 | 0 |
植物・その他 | 3 | 2 | 2 |
灰 | 2 | 2 | 2 |
炭 | 0 | 0 | 0 |
その他 | 5 | 4 | 3 |
総計 | 105 | 56 | 50 |
【今年の筍は?】
春になって筍の測定も始まりました。まずは、去年・一昨年の筍の測定結果をおさらいしてみましょう。
(最高値、平均値の単位はBq/kg)
年 | 測定数 | Cs137検出数 | Cs134検出数 | Cs137最高値 | Cs137最高値 |
2012 | 25 | 14 | 12 | 35 | 16 |
2013 | 16 | 4 | 1 | 21 | 12 |
一昨年はだいたい半分程度から検出、昨年はだいたい1/4程度から検出という感じでした。今年は今までのところ6検体測定して半分の3検体から検出されていて、Cs137の平均値は9Bq/kg程度です。もう少し測定数が増えないと傾向についてコメントするのは難しいところですが、どうやら今年も微量ながら検出が続きそうです。
毎日食べるのでなければさほど気にすることもない汚染量だとは言え、こんな数字を気にせずガバガバ筍を食べることができる日を早く取り戻したいですね。
【桜の花びら】
八王子の桜の花びらを3回測定しているのですが、Cs137+Cs134の平均値で54Bq/kgというかなり高い数字が出ています。これらの花びらはいずれも地面に落ちたものをかき集めたものなので、花びらの表面に土埃が付着していて、その影響があると思われます。
1リットル容器に桜の花びらを詰め込んで400g程度ですが、そこに200Bq/kgの土が入り込んだと仮定してみると、土が100g入り込んだ場合で+50Bq/kgになります。
100gの土が紛れ込んだら、それはもう目で見てもはっきり土混じりであるのがわかるでしょう。ですから、そこまでの紛れ込みはないと思われます。そう考えると、やはり桜の花びらにかなりの汚染が出ていると考えるのが妥当な様に思えます。
桜の花は微量な放射能に反応して異常(花弁数が変わったり、雄しべの花弁化が起こったりする)を起こすものとして、以前から放射能の調査に使われています。たんぽぽ舎呼びかけによる「さくら調査ネットワーク」は2004年から調査を続けています。異常花をつける率が通常は0.01%程度らしいのですが、近年の調査ではとても高い数字が出ています。原発周辺地域で高くなる傾向があるようにも見えるのですが、原発と関係ないところでも高い数字が出ていたりします。異常花をつける原因は放射能だけではなく土壌汚染やダイオキシンも影響しているらしいということで、なかなか判断が難しいところです。
興味のある人はたんぽぽ舎のホームページ http://www.tanpoposya.net/ に行けば調査結果をダウンロードできますから、是非じっくりいろいろな角度から眺めてみてください。
【定点観測の薦め】
ご存知の様に、最近は一部を除いて食品から検出されることはめったにありません。この号で紹介した筍など、今でも出やすい食品がありますが検出値は微量になってきています。こういうごく一部の汚染を見つけて公表していくことは測定室にとって非常に重要な活動です。
同時に、福島事故の影響が長期間続いていることをはっきりした形で示していくためのデータ収集も大きな役割だと思っています。その意味で呼びかけているので土壌の定点測定です。
半年に一回程度、自分の身近なところで土を採取して、測定室で測定してその記録を撮り続ける活動をみなさんにお願いしたいのです。できるだけ掘り返されることがないような場所で、表面から5センチに近い一定の基準で土を採取できるところを選んでください。一度採取した後に土を戻した場所は、掘り返したことで条件が変わってしまいますから、次回の時はその近辺の別の場所から採取します。長期間採取し続けるとして10ヶ所以上掘れる場所があるところを選ぶのがいいでしょう。
測定データは個人的に記録して観察してくださるのでもかまいません。測定室で定点観測点として登録してくだされば、測定室で地図上にデータを記録したり、観測点の変化の様子を調べてみなさんお知らせすることができます。
測定室で定点観測点としての登録を申し出てくだされば、定点観測番号を発行すると同時に、その場で測定点の場所をお聞きして正確な緯度と経度を調べて記録します。
測定点を増やせば、八王子近辺で土壌汚染の変化具合を把握できるようになると思います。また「汚染が消えてない」という
現実を見つめ続けることもできると思います。是非ご協力よろしくお願いします。
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