ハカってワカった話5号 引き続き測定依頼減少傾向、筍、土壌汚染、新茶

引き続き測定依頼減少傾向、筍、土壌汚染、新茶

二宮 志郎

2013年2月1日~5月1日測定結果

測定データの集計表は2月~4月分になります。測定結果一覧表には、500Bq/kg以下の土関連の測定値は載せていません。

検体種類 検体数 Cs137 Cs134
土・砂 85 79 77
土混じり植物 8 8 8
土・その他 1 1 1
泥、泥水 0 0 0
池水、川水 0 0 0
雨水・雪 1 0 0
水・その他 2 0 0
葉菜 13 2 1
根菜 6 1 2
果実・果菜 10 3 3
穀類 39 1 0
きのこ類 13 10 8
魚介類 5 0 0
肉類 0 0 0
卵類 0 0 0
水産加工品 2 0 0
肉類加工品 0 0 0
野菜・果実類加工品 2 0 0
穀類加工品 11 0 0
飲料 5 0 0
食品混合 0 0 0
茶葉 10 6 4
ペットフード 0 0 0
芽・茎野菜 18 4 1
海草類 1 0 0
食品・その他 3 0 0
植物葉 7 2 2
植物茎・枝 1 0 0
植物根 0 0 0
木質ペレット 0 0 0
植物・その他 0 0 0
4 4 3
3 3 3
その他 8 6 6
総計 258 130 119

【引き続き測定依頼減少傾向】

3ヶ月間、5検体/日で1 ヶ月に20日運営したら、300検体測定できます。今回の表にある総検体数の258はそれをかなり下回ります。それだけ予約が埋まらなかったということを意味しています。この間、無料キャンペーンをしたり、新聞折込広告を入れたり、いろいろと測定依頼減少傾向に歯止めをかける努力をしているのですが、状況はそう簡単には改善できないようです。

「測定」を軸にして活動している測定室だけに、測定依頼が減ってきても何らかの形で測定活動が維持できるように努めたいと思っています。もちろん、測定以外の活動面でもいろいろ工夫していくつもりです。読者のみなさんも是非ご協力をよろしくおねがいします。

【1年前と比較】

「ハカルワカル広場だより」も2年目に入りましたから、昨年のデータと比較ができるようになってきました。もし第一号をまだ手元にお持ちの方は、第一回の「ハカってワカった話」に出ている集計表と見比べてみてください。

「果実」の項目では、去年の集計表では18検体測定中Cs137の検出が14検体です。一方今回の表では10検体中3検体です。柑橘類からの検出はかなり減ってきている感じがしていたのですが、こうやって比べてみればはっきりそれを確認することができます。

【今年産の筍はどうか】

気になる筍ですが、2013年産のものは今までに16検体測りました。そのうち検出されたのは4検体です。昨年は25検体測定したうち14検体から検出されていますから、去年に比べて今年の検出率は半分くらいに落ちている感じです。今年の測定では、Cs134が微量すぎて限界値以下になってしまいCs137のみが検出されるという場合が多くなっています。

八王子産の最高値は去年も今年もそれほど変わっていない点が少し気がかりなのですが、かなりの数の筍が不検出のレベルまで下がってくれて来たことはいいニュースと言えるでしょう。

比較データを詳しく見たい人がインターネットで次のページを参照ください。 http://goo.gl/PuL3N

【減らない土壌汚染】

今回集計した259検体中、土・砂の分類に属するのは85 検体、その中でCs137が検出された数は79になっています。この79検体のCs137検出値の平均は270Bq/kgです。

2012年中には1293検体を測定していて、そのうち土・砂分類は267検体、Cs137検出は246検体で、その検出値平均は288Bq/kgです。

福島の土、九州の土、北海道の土、ホームセンター購入の土、ホットスポットの土などいろいろな土を測っているので、場所や条件を限定したデータをまず選択してから統計をとるべきなんですが、大半が八王子近辺の土なので平均値にはそれが強く出ていると考えていいでしょう。Cs137の検出値に関しては去年も今年もほとんど変わっていないことを示す結果になっています。

この減らない土壌汚染をもう少し計画的に調べ上げてマッピングしてくプロジェクトがハカルワカル広場の一つのプロジェクトとして始まっています。このプロジェクトを継続していけばもっと正確に土壌汚染の分布や減少具合を報告できるようになると期待しています。

【新茶の季節】

八十八夜も過ぎて、新茶がおいしい時期でしょうか。「検査して基準値以下を確認している」と言われても、「どのくらいの計測値」だったのかをちゃんと公表して欲しいものです。「お湯で出したお茶の状態で何ベクレル」ということよりも、「自分の体の中に何ベクレル入れるのか」ということを考えて判断するのが賢明だと思います。コーヒ派の人と日本茶派の人では一杯のお茶をどう見るかという見方も変わっていて当然です。

今回の集計結果の中に茶葉の分類は10検体ありそのうち6検体から検出されています。この中にはほとんど今年産新茶は含まれていません。新茶の測定はこれからになってきます。

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

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