ゼオライトの測定結果を見る
二宮 志郎
微量放射能漏れ監視プロジェクト、協力者のみなさんのおかげで徐々にデータが蓄積しつつあります。特に継続して定期的に測定してくださっている方のデータは大変貴重です。
継続した測定データがある測定点を選んでグラフにしてみました。選んだ測定点は、元本郷A、町田市A、川口町B、御前崎市Bの4点です。測定年月を横軸に、ゼオライトを測定して検出されたセシウム137のBq/kgを縦軸に取っています。
グラフを見れば月日の経過とともにセシウムが蓄積していっていることがわかります。これは、空から降ってきているセシウムの蓄積分です。御前崎を除いては近辺の土壌から再浮遊・再降下の現象が起こっているせいによるものと思われます。
元本郷がひときわ高い数値になっています。たまたまこの測定点がセシウムを濃縮しやすい状況にある可能性もあるので、この結果だけから元本郷という地域に結びつけて考えることはできません。
元本郷、町田のデータを見ると梅雨から夏にかけて雨が多い時期に蓄積が激しいように見られますが、川口町のデータでは冬期も夏と同じペースで蓄積が進んでいます。季節による傾向をはっきり結論づけるにはもう少しデータが必要になります。半年に一回程度の測定ではこのような解析ができません。2ヶ月毎程度の頻度での測定継続を切にお願いしておきます。
御前崎、気になる廃炉作業との関係
御前崎の測定点は浜岡原発にかなり近いところになります。福島の影響は小さい地域なので、セシウムの検出はないか極微量であろうと予想していて、最初の数カ月はそのとおりの結果でした。ところが2016年6月測定ではっきりわかるレベルでセシウムが検出されて少し驚きました。
中部電力のホームページには「放射線管理区域内解体撤去が2016年2月15日に着手」とあり、何か解体作業とともに飛んでいるのではないかという懸念が持たれます。電力会社にもしっかりこういう調査をして欲しいですが、彼らに都合の悪い結果が公開されることは期待薄ですね。