広場だより22号 巻頭寄稿文 関東も汚染現地

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関東も汚染現地

放射能からこどもを守ろう関東ネット/ハカルワカル維持会員 柳沢典子

2011年3月15日の朝9時過ぎ、千葉県柏市の自宅。20数年ほとんど鳴ることのなかった放射能検知器がけたたましく鳴り始め、福島から200km離れていても原発事故では汚染の現地になることを知った。空間線量は0.8μシーベルト超が記録され(東大測定)、数千か所に及ぶ市民による土壌調査でも、文科省の航空モニタリング調査でも、放射線管理区域とされる値であることがわかっている。幼児、妊婦は立ち入り禁止、飲食は禁止される場所、チェルノブイリ事故では避難推奨地域だ。街角には核のマークをつけるべきだが誰もつけようとしない。国は重点調査地域に手を挙げた自治体に除染費用を交付しただけだ。ガラスに溶け込んだセシウム(セシウムボール・不溶性のため肺への影響が子どもで180倍)等、放射能の各核種が舞い散る中、子どもたちは外遊びをし、学校の窓は閉じられず、グラウンドで部活をして泥まみれになった。

官邸は放射能漏れの実態を11日17時には把握しており、「関東では雨の日に個人の対応としてカッパを着ること」や乳児のミルク備蓄について原子力安全委員会緊急助言組織が提言をしていたが無視、放射性物質拡散予測システムSPEEDIも報道されることはなく、山梨あたりまでの関東圏の人々はかなりの被ばくを強いられることになった。

私はチェルノブイリ原発事故以降、食品放射能を測るボランティアを14年、また輸送時を含む原子力防災について市に要望、その経験上、放射能の影響を早期に最小限にすることの重要性を感じていた。

311後市議会に請願を数度、いくつか採択。同時に子どもの給食など食品の測定、環境の測定、除染を率先して行うパパママたちとつながるのだが、やがて市を巻き込んでいく。意識のある自治会では住民による除染を市の職員とともに行う。しかし汚染土の行き場はなく、できるだけ人のこない場所に埋めるだけだ。そして市との協働では健康問題に突っ込んでいくことは難しかった。

一方、健康を心配する親たちは茨城、千葉、埼玉とつながっていく【放射能からこどもを守ろう関東ネット】。茨城県守谷市の常総生協がゲルマニウム測定器を用意、まず市民で土壌数千か所を調査して子どもたちの健康調査を、と各省庁まで要望する。超党派議員による「原発事故子ども被災者支援法」が成立するが反応は鈍い。環境省の「福島原発事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議」は日本医師会の石川理事らが、被ばくは県をまたいでいる、健康支援を早急に、といった意見を無視、病気と事故の因果関係ははじめからないとして会議が進む。業を煮やし2013年9月に親たちが立ち上げた【関東子ども健康調査支援基金】は独自に甲状腺エコー検査を行っている。スクリーニング検査を受けた子たちはすでにのべ7000人以上になり、神奈川でも始まっている。現在、甲状腺エコー検査に補助金を付ける自治体も出ている。

原発事故の健康影響は甲状腺以外にもさまざまで事故から31年たった現在でもチェルノブイリ周辺では元気な子どもが少ないと現地医師はいう。2016年9月【311こどもがん基金】が立ち上がり、甲状腺がんと診断された子どもに給付を行っている。100万人に1~2人と言われていた甲状腺がんが福島では

190人と数十倍の確率。福島以外の東京や神奈川でも4人と、甲状腺がんの子どもがでてきている。関東でもこの小さな基金に申し出がこれだけあったということは潜在的にどれくらいあるのか、なのだ。自覚症状が出てがんに気づいた場合は症状がすでに重くなってしまっているため早期発見と治療が有効。被ばくを受けた関東圏では少なくとも子どもは甲状腺チェックを受けるしくみが必要だ。国策によって被ばくをしたのだから健康に生きる権利がある。

人の痛みはもちろん数字ではわからない。進学、結婚等進路を余儀なく変更させられる。甲状腺の疾患は内臓全体に関わり疲れやすく、生きていくのがつらいと思うほど気力がなくきつい症状が出ることがある。闘えない被害者がいまだ苦しんでいる。追い打ちをかけて「復興」、「前向き」、「オリンピック」の掛け声でいっそう声が出せなくなり、自主避難者も支援打ち切りで兵糧攻め、汚染地へ帰れと追い詰められている。

福島の子どもの尿からは今も日常的にセシウムが検出されているデータがある。汚染は何十年も続く。千葉では現基準の0.23μSV/h以上の場所があちこちで見つかっている。つい先日は除染した土が埋められた場所だったか、運動会の入場門を建てるために校庭を掘ったら1μSV/hを超えたという。

汚染土は1300度で焼くとセシウムは土から離れ、フィルターに集めることができるが高くつく。貯蔵場所にも困りはて国は8000Bq/kg以下は防波堤の基礎などとして再利用するという。上は覆うというが昨今の災害の多さや規模からしてもまた露出していくだろうことは容易に想像できる。日本中で利用だから日本中が汚染されていく事実を受け入れてくれということだ。なにしろ今なお「原子力緊急事態宣言中」だから。世界的にも最大の公害であり人権蹂躙が進行している。

いろんな意味で原発事故はあなたの住むそこが汚染現地になったということだ。土に親しめないなんて生物としてどうなのか?これ以上の原発稼働などありえない。外部配管が壊れれば再び核災害、このウィークポイント施設を残して軍備拡張など茶番にすぎないと思う。

さあ自然エネルギーの電気を選ぼう、(手続きは簡単。ただしスマートメーターは不要、法律違反ではない)、
子どもの健康状態はチェックしよう、
被災者支援団体、保養団体を支援しよう。そして以下【 】、 ぜひ検索を。

【関東子ども健康調査支援基金】     神奈川でも甲状腺エコー検査 事前申込制
【3・11甲状腺がん子ども基金】    甲状腺がんと診断された子どもへ療養費給付
【放射能からこどもを守ろう関東ネット】 子どもを守るための実際的な活動
「3.11後の子どもと健康~保健室と地域に何ができるか~」 713円
         (岩波ブックレット 大谷尚子・白石草・吉田由布子 共著)

自治会住民が団地内の公園を除染

衆議院議員候補者に必死のアピール

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