測定室は、コロナ対策を取りながら午前中限定開室という状況下、6月〜9月の4ヶ月間で27検体の測定を行いました。「掃除機のゴミ、八王子絹ケ丘」の検体は6月と9月に測定して、いずれも不検出でした。過去に長い間検出が続いてきた、この同じ場所の掃除機のゴミに注目してみます。
掃除機のゴミ、過去データを振り返る
赤い縦線が662keV・Cs137のスペクトル、青い縦線が796keV・Cs134のスペクトルを示します。2013年2月のデータが突出して高いピークを示しているのは、この回の検体が震災直後の埃を含んでいたからのようです。その次に高いピークのデータが2013年12月のデータで、この時のCs137の測定結果は約200Bq/kgでした。
2017年以降はそれほど差がわからなくなっています。これは検体質量が100g程度である関係から測定限界値に近いところになって、誤差の大きな測定になっているせいでしょう。ちなみに、2019年11月のCs137測定結果は約50Bq/kgでした。一番下に来ているグラフが2020年6月の検体で、確実に50Bq/kg以下になったようです。
減り方が土壌より早い?
2013年から6年程度かけて、1/4以下に減ったという事実が興味深いところです。外の土埃を家の中に持ち込むことが掃除機のゴミから検出される大きな原因だと思われますが、土壌のCs137はこの間で1/4以下になるような減り方はしていません。土埃となって再浮遊しやすいCs137は、土壌内のCs137より減り方が激しくなっていて、そのことが影響しているのではないかと推測します。 土壌でも場所によっては早く減っているかもしれません。ハカルワカル広場で計画している「10年目の土壌測定プロジェクト」もあります。みなさんも身近な場所のデータに注目してみてください。
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