8月8日(土)10:30開始のオンラインによるトークセッションが2020年7月22日の毎日新聞の朝刊の多摩版に紹介されました。このトークセッションは映画「太陽が落ちた日」について、またその映画がテーマとする「核」について語り合うトークセッションです。会員の方はもちろん、広く、遠くからも参加できるオンラインのトークセッション。たくさんの方のご参加をお待ちしています。記事も貼り付けます。

ハカルワカル広場
測定室からのお知らせ
8月8日(土)10:30開始のオンラインによるトークセッションが2020年7月22日の毎日新聞の朝刊の多摩版に紹介されました。このトークセッションは映画「太陽が落ちた日」について、またその映画がテーマとする「核」について語り合うトークセッションです。会員の方はもちろん、広く、遠くからも参加できるオンラインのトークセッション。たくさんの方のご参加をお待ちしています。記事も貼り付けます。
ボランティア 二宮 志郎
右肩上がりの時代
新型コロナウィルスがもたらした事態は何だったのか。そのことは多くの学者に予測されていたのに、私達は何故無防備にそれがやってくるのにまかせていたのか。無防備にならざるを得なかった理由はどこにあるのか。
ある学者が話の中(注)で上のグラフを出してきて、原因は地球環境に対して人類が与えている影響があらゆるところで急激に起こっていることを上げていた。
(注):Peter Daszac, The ecology of pandemic era
野生動物と人間活動の境界を急激に変化させることが、野生動物の中にしかいなかったウィルスを人間界にもたらすことにつながっているらしい。そしてその頻度は確実に増えてきているというのだから、第二、第三のコロナ騒動も覚悟しておく必要がある。
グラフの元データはwww.igbp.netにあり、そこからダウンロードすれば一つ一つのグラフを拡大してみることもできる。たくさんあるグラフの横軸は始まりが1750年、赤い字で書いてある点が1950年、右端が2010年である。
左半分の社会経済的傾向は全て急激な右肩上がりのグラフになっているが、その急激な上昇が始まるのは赤い印のちょっと左からというのが多い。それは核の時代と同期しているように見える。
人新世
この人類が地球環境に大きな影響を与えることになる新しい地質年代として「人新世(アントロポセン)」という名前が提案されている。そして、その始まりの定義としては「1945年のトリニティ実験(広島・長崎の前にアメリカがニューメキシコで行った人類最初の核実験)」とする説が有力らしい。
この人新世なるものの初期の急激な右肩上がりがいつまでも続くなどということはありえない。
ただ私達の人生は、あり得ない状況の中にいる異常をあたりまえと勘違いできるくらいに十分短い。今生きている人達の大半はトリニティ以後に生まれていて、人新世の中で育っている。冒頭で上げた「何故無防備にコロナの事態を迎えてしまったのか?」という問いへの答もここにあるのではないだろうか。
各グラフの赤い印の1950年と右端の2010年の中間、1980年の時、私はまだ学生だった。あのころを思い出してみると、「右肩上がりをいつまでも続けることはできない」という警告はすでにあちこちであった。しかし世界の回答は「まだまだ行ける」ということだったのか、グローバリズムによる市場の拡大は右肩上がりの時代を2000年を越えて引きずっていった。
原発の推進もその回答の一つだった。右肩上がりを支えるエネルギー源ということだったが、原発の場合はスリーマイル、チェルノブイリの事故を経験して1990年には右肩上がりは終わっている。右肩上がりが続いていたらフクシマの経験は一回ですんでなかったかもしれない。
オーバーシュートの悲惨
コップに水をどんどん入れていくと、表面張力で縁から盛り上がっていき、ある程度まではコップの容量を越えるところまで水を入れることができる。オーバーシュートとは、この容量を越えた分の水だと考えればいい。盛り上がった水の量が多いと表面張力で支えきれなくなって溢れ出る時の量も多い。
上のグラフで赤線は激しいオーバーシュートが起こった例、青線は小さなオーバーシュートが起こった例を示している。激しいオーバーシュートが起こるとその反動が大きく、グラフの赤線は劇的な減少を伴っている。この劇的な減少は場合によっては悲惨な状況を作る。コップの水の場合水がこぼれ落ちるだけだが、人口だったら大勢の人が死ぬことを意味する。おそらく社会的経済的立場の弱い人から先に悲惨な死に方をすることになる。
赤線と青線の違いは、容量オーバーにどれだけ早く気がついて右肩上がりを止めるかにかかっている。
いかに終焉させるか
新しいウィルスによる疫病、地球温暖化、放射能汚染、生物種の絶滅、こういった様々な問題は、右肩上がりの時代が終わるとともに自然と終息するだろう。その時に人類も終焉していれば元も子もない。もし人類が生き残れたとしても、とてつもなくたくさんの悲惨な死の後に生き残ったのであればあまりに悲しい。
新型コロナウィルスは「人類はもうオーバーシュートのところまで来てしまった」という事の警告の一つだったのだろう。上のグラフの緑の丸の領域に来ているということだ。これから先、赤線をたどるか、青線をたどるか、それは人類の行動いかんによる。
過去の実績を考えれば、この先人類が考え直して行動を改めていくなどということはできそうもない気がする。しかし、行動を改めていくことは、様々な矛盾を抱えながらでも少しずつ始まっている様にも見える。とにかく、オーバーシュートを小さくすることにつながる努力はどんなに小さなことであろうと意味があると思いたい。
起こっている事実から目をそらさないようにすることは第一歩であり、それは誰にでもできる。冒頭に上げたグラフや、様々なデータを最新情報で更新しながら、何が起こっているのかを意識の中に置いていきたい。「ハカルワカル」とは正にそういうことである。
二宮 志郎
いつかその日がやってくる、やってこなくては困る、と思っている日があります。「もう放射能は測らなくてもいい」という、そういう日です。残念ながらその日はまだです、しかし「測ろうと思っても測れない」という日が先に来てしまいました。ご存知のように、新型コロナウィルスの影響でハカルワカル広場の測定活動は3,4,5月と完全に止まってしまいました。6月になって午前中限定の形で再開しましたが、まだ以前の様な測定活動に戻れる日は見えていません。
というわけで、今回は測定データがないところでの「ハカってワカった話」になります。過去のデータを参考にしながら、「もう放射能は測らなくてもいい」日は来るのだろうか、それを少し考えてみたいと思います。
最近4年間の測定
4,5,6月という季節は、筍や山菜の測定もあり、1年のうちでは比較的測定活動は活発になる時期でした。それも最近4年くらいでは、放射能が検出されることはほとんどなくなり、土壌やキノコの測定でまだ福島事故の影響が消えてないこと、食品類の測定では不検出になること、そういうことを確認する意味での測定が主になってきていました。
上記のグラフが示しているのは、4,5,6月の測定数の推移です。粘り強く測定活動を続けてくれている人がいますが、微減傾向にあることはたしかです。不検出の結果が出るのがほぼ確実になってくれば、測定が減るのは自然の流れです。
事故さえなければ
放射能放出を心配しなければいけないような事故が起こらなければ、このまま微減傾向が続きそうです。しかし、そういう事故が起こらない日々が続くことはどこまで期待していいのでしょうか。
原子炉が事故を起こす確率を見積もるのに、X炉年あたりに1回というような表記が出てきます。この炉年という単位は、いくつの原子炉を何年動かしたかということです。1つの原子炉を10年動かした場合、あるいは10の原子炉を1年動かした場合、どちらもそれは10炉年ということになります。
世界規模では、商用炉に限れば約15,000炉年の中で、スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマと大きな事故が3回起こっていて、約5,000炉年に1回という数字が出てきます。日本に限れば、約1,500炉年の運転でフクシマ事故を起こしているので、1,500炉年に1回という数字が出てきます。
しかし、これらの数字はいかにも心もとないです。100万炉年くらいの経験に基づく数字ならもう少し頼りにしていいと思うのですが、世界も日本もあまりに経験値が低いわけで、出てきている数字はそれほど信頼できる数字とは言えません。
とにかく、原子炉をたくさん動かすと炉年数は増えます。世界では今現在も400を越える炉が動いているので、10年続くと4000炉年を越えていきます。その数を1/10の40に減らすと4000炉年に達するのには100年かかります。
世界の稼働原子炉を減らさずしては、
「もう放射能は測らなくてもいい」という日が確実に来ることを想定できません。放射能は国境を越え、海を越え飛んでくることを考えると、400を越える稼働中の原子炉は、「運が良ければ」という前置きなしに、その日を期待できなくします。
仮に運がものすごくよかったとします。そうすれば事故は起こらなくて、撒き散らされる死の灰はないでしょう。しかし、死の灰は使用済み燃料プールか、キャニスターの中か、どこかそういうところで、もう一つ別の運を期待して保管されていることになります。もしそこで運が悪いことになると、、、やっぱり放射能測定が必要になってしまい、その日は遠のきます。
運にたよらないようにするには、炉年数を小さくすることです。稼働中原子炉をゼロにすれば、100年経とうと、1000年経とうと、ゼロをかけるのですから0炉年です。その時の事故に会う可能性はゼロで、それだけは確かです。
ハカルワカル広場は、6月2日より再開しておりますが、、まだ通常の全日開室ではなく、午前中の開室とさせていただいております。7月も引き続き、午前中の開室とさせていただききます。
どうぞご了承くださいませ。 ご利用をお待ちしております。 (ご利用の際は、予約のメール、電話をいただければ幸いです。)
コロナウィルス予防対策のため、スタッフはマスク着用、消毒、換気に努めております。
ハカルワカル広場
2020.6.25
7月定例お茶会は、7月4日(土)10時~12時「原発は地球温暖化防止に役立たない」という講演を二宮志郎さんが行います。原発の「売り」は「CO2を出さないこと」です。ぜひこの講演を聞いて、それが嘘であることをご確認ください。
当日は、ハカルワカル広場でのご参加もできますが、「三密」回避のため、zoomでのオンライン参加も可能です。 zoomでの参加が可能な方や遠くの方はぜひご利用ください。Zoomでの参加ご希望の方は、メールまたは電話でハカルワカル広場までお問い合わせください。。
さらに少し先の話になりますが、映画「太陽が落ちた日」のトークセッションをオンラインで8月8日(土)10時半~12時に行う予定です。この映画のアヤ・ドミニク監督もスイスから参加予定です。
この映画を多くの方に見ていただくため、8月中は夏季休室(8/9~8/17)を除き、ハカルワカル広場で毎日上映いたします(参加費無料)。インターネット(https://hachisoku.org/blog/?p=7213に、見る方法を掲載)でご覧いただけますが、その環境にない方はぜひハカルワカル広場までおいで下さい。8月は全日(午前も午後も)開室できるよう準備中です。映画を見たい方は電話、メールでご予約いただければ幸いです。
ハカルワカル広場
2020.6.22
コロナウィルス感染予防のため、5月31日まで休室としておりましたが、緊急事態宣言も解除され、市中の感染も小休止を迎えた感がありますので、ハカルワカル広場も感染防止に注意を払いながら再開していく所存です。次の要領で開室します。
*開室開始日:6月2日(火)より
*開室時間:10:00~12:00
*開室日:これまで通り、火曜日~土曜日
*測定依頼の方は電話、またはメールで予約のうえ、隣室からアルコール消毒を済ませて入室ください。スタッフもマスク着用をして待機しております。
なお、今後通常のように午後3時までの開室にしていく予定ですが、その開始日時についてはまた、メール、ホームページにてお知らせいたしますのでご注意ください。(およそ、1か月をめどに通常再開を考えていますが、事態の推移を見守りながら判断して参ります)。
私たちのような脱原発の運動をする市民団体にとって、「直接会って対話する、大勢で集まる」ことのかけがえのない大切さを痛感したこの休室の2か月でした。ウィルス予防に最大の注意を払いながら、活動を再開していきたいと思いますので、今後ともどうぞご一緒に活動をしてまいりましょう。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。最後になりましたが、皆さまのご健康をお祈りしています。
ハカルワカル広場
2020.5.27
2020年ハカルワカル広場総会を、テレサービスzoomを使って開催いたします。直接に集うことは出来ませんが、いつものようにハカルワカル広場の「核なき世界」を目指す活動が活発になるよう、意見交換ができれば幸いです。どうぞご参加くださいませ。
テレ総会開始30分前の当日朝9時半頃に、このページ(テレ総会参加について)に、テレ総会へのリンクを載せます。総会に参加される方は、当日朝に、リンクをクリックして参加するようにしてください。「テレ総会の参加の流れと注意事項」についてのページはこちらです。
なお、テレサービスを使うことができない環境の方は、同日ハカルワカル広場に来ていただければ、テレ総会にご参加になれます。測定室での参加を御希望の人は、お手数をおかけいたしますが、メール:hachisoku@gmail.com もしくは、電話:042-686-0820 宛に事前に連絡をお願いいたします。
ハカルワカル広場
2020.5.16
3月に予定していたハカルワカル広場主催の映画会『太陽が落ちた日』は、新型コロナウィルス感染の広がりを鑑み延期させていただいておりました。しかし、今後一挙にこの状況が改善されるとの見通しがつかず、狭い会場に多くの方を集めての映画会は困難との判断に至りました。
私共としても皆さまに是非ご覧いただいて、共に核について考えていきたいと思い準備を進めておりましたので、中止という判断は大変苦渋の判断でした。皆さまにはご迷惑をおかけすることとなりますが、ご理解いただければ幸いです。本当に申し訳ございません。
なお、会場での映画会は中止ですが、インターネットなどを使った『太陽が落ちた日』の観賞を皆様にお願いし、その後のトークセッション等は実施予定でおります。その折はまたご連絡いたしますので、是非ご参加ください。ホームページ、会員メール等でお知らせする予定です。
*インターネットでのご視聴の方法はこのページの末尾にご案内しています。
*視聴したいがネットでの視聴ができないという方はハカルワカル広場(042-686-0820)までご連絡ください。小さな映画会を(席をまばらにしてハカルワカル広場で、状況が少し落ち着いた時点で)実施できればと思っております。
また、チケットをご購入いただいた皆さまには、チケット代金を返金させていただきます(一枚800円)せっかくご購入いただきながら、中止となり本当に申し訳ありません。チケットを持ちながら、7月になっても、私共から返金についての連絡がない方は、ハカルワカル広場(電話: 042-686-0820, メール: hachisoku@gmail.com)までご連絡ください。至急返金させていただきます。
この感染症がいつ終息を迎えるのか、もしかすると今までと違う形の社会や文化ができつつあるのか、今はこの後に来るものが予想できませんが、大切なものを見失うことなく、これからもハカルワカル広場の活動を続けていきたいと思っています。今後もますますのご支援をお願いいたします。
ハカルワカル広場
2020.5.14
【インターネットによる「太陽が落ちた日」の視聴方法】
「アジアンドキュメンタリーズ」で今のところ、9月30日までは確実に「太陽が落ちた日」を配信中。(その先はまだ未定)
映画を視聴するには会員登録をして、
*1作品だけ購入をする「単品購入」(495円税込)で7日間視聴できる。
*「月額見放題」月990円(税込)に登録しますと、他の作品(約100のドキュメンタリー映画)が見放題。
(※月替り自動更新です。1ヶ月で解約すれば990円ですが、月が替わりますと毎月990円かかります。)
支払いはクレジットカードのみ。
●「アジアンドキュメンタリーズ」配信サイト
https://asiandocs.co.jp
・「新規登録」からメールアドレスを入力し、送信すると「招待状」メールが届きます。
・メールのリンクから、お名前、パスワードなど入力し登録します。
・映画の購入、視聴の際は「ログイン」からメールアドレスとパスワードで入力しログインする。登録の名前が表示されている時がログイン状態です。
●映画「太陽が落ちた日」作品ページ
https://asiandocs.co.jp/con/227?from_category_id=
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・「単品購入」495円(税込):「購入する」から進み、クレジットカード情報を入力し、決済が完了すると視聴可能。
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視聴に際してのご不明点は、
「お問い合わせ」 https://asiandocs.co.jp/inquiry/input まで。
以上
「太陽が落ちた日」予告編【日本初配信】
ハカルワカル広場は緊急事態宣言を受け、5月6日まで休室としておりましたが、それが5月31日まで延長されましたので、休室を5月31日まで延長させていただきます。皆さまにはご不便をおかけしますがコロナウィルス予防のためご理解とご協力をお願いいたします。
大変、気の重い日々とは思いますが、どうか健康にご留意され、お元気でいてくださいますようにお願いいたします。
なお、ご連絡などがございましたら、電話:042-686-0820、メール:hachisoku@gmail.com までお願いいたします。
ハカルワカル広場
2020.5.4
テレお茶会の録画動画を掲載します。動画は講演の部分のみで、講演の中で紹介されたビデオと講演後の質問会の部分は入っていません。途中52分37秒からの「中国からAIDSが、、、」という部分は「中国から新型コロナウイルスが、、、」の間違いです。お詫びして訂正させていただきます。