地表線量測定装置 RadilogWalkerについて

ボランティアBBSの方で話題を進めていた事なんですが、かなり形ができてきたので、みなさんにお知らせしておきます。

百聞は一件に如かずですから、まずは写真をご覧ください。

上部にある表示パネルはAndroid端末で、これが測定値とGPSの位置情報を読み取り記録します。

下部に金属色の箱の様なものが見えると思いますが、それが測定室で保有するTC300Sの測定機に鉛を箱状にしてかぶせたものです。底面だけが鉛なしで開いているので、周辺の放射線は測らずに地面からの放射線だけを測るようにしています。このようにすることで、周囲の木々や建物からの放射線で高いのか、地面の汚染のせいで高いのかをかなりはっきりさせることができます。

測定結果のデータはこのページでグーグルマップ上に表示させることができます。
「RadilogWalker(鉛遮蔽あり)歩行測定データ」の項目にチェックを入れて、「表示」をクリックすれば、今までに実際にRadilogWalkerで採取したデータを見ることができます。

4.0以上のバージョンのAndroid端末(Android スマホ)を持っている人は、ここからダウンロードして自分の端末にソフトをインストールできます。ただし、端末がUSB HOST側の機能を持ってないと使えません。Android端末の場合はUSBポートはデバイス側にしかならないのが普通ですが、OTG機能を持つものはOTG用のケーブルを使えばホスト側として使えます。ソースコードはここで公開しているので、改造して使い人はどうぞ。

そのうちにこれを使った測定会をやりたいと思っています。

 

 

2月1日(土)は総会です

2月1日(土)10時より2013年度総会を開催いたします。

通常は定例お茶会の日ですが、今回は総会です。

活動報告、決算報告、、2014年度活動方針案、2014年度予算案、事務局の承認などを審議・決定いたします。お忙しいとは思いますが、ご参加くださいますようご案内いたします。(議決権は維持会員、ボランティアのみにありますが、どなたでも参加できます)。

ハカルワカル広場

事務局

伊方原発再稼働反対集会に8千人!

一番最初に再稼働されるのではないかと心配されている伊方原発ですが、その反対集会に、なんと8千人もの人が集まったということです。12月1日(日)、松山市でで行われた集会です。8000人はすごい数ですね。圧巻だったと思います。こういうパワーには勇気をもらいますね。

毎日新聞が伝えています。

http://mainichi.jp/select/news/20131202k0000m040048000c.html

地元だけでなく、全国から集まったそうです。石破さんはこれもテロというのでしょうか。

 

12月7日(土)は定例お茶会です

12月の定例お茶会(前月の測定データについて学習し、さまざまの問題を考えます)。ボランティア、維持会員はもちろん、それ以外の方も参加できます。東京電力による福島第一原発四号機の燃料棒取り出しがついに始まりました。福島県における子どもたちの甲状腺ガン増加の疑いも報道されています。このように、決して原発事故は終わっていません。むしろ深刻さを増していると言っても過言ではないで しょう。どうぞ、奮ってご参加くださ い!

12月定例お茶会 : 12月7日(土)10時~12時 ハカルワカル広場にて

ハカってワカった話7号 鉛遮蔽の強化、微量測定の世界

鉛遮蔽の強化、微量測定の世界

二宮 志郎

測定データの集計表は7月~10月分になります。

7月25日~10月24日 測定結果

検体種類 検体数 Cs137 Cs134
土・砂 38 36 36
土混じり植物 2 1 1
土・その他 1 1 1
泥、泥水 0 0 0
池水、川水 0 0 0
雨水・雪 0 0 0
水・その他 0 0 0
葉菜 4 0 0
根菜 10 2 0
果実・果菜 28 1 0
穀類 23 2 1
きのこ類 38 31 27
魚介類 6 0 0
肉類 0 0 0
卵類 0 0 0
水産加工品 2 0 0
肉類加工品 0 0 0
野菜・果実類加工品 3 0 0
穀類加工品 10 0 0
飲料 2 0 0
食品混合 0 0 0
茶葉 8 2 2
ペットフード 0 0 0
芽・茎野菜 0 0 0
海草類 1 0 0
食品・その他 3 0 0
植物葉 4 2 1
植物茎・枝 0 0 0
植物根 0 0 0
木質ペレット 0 0 0
植物・その他 3 0 0
0 0 0
0 0 0
その他 3 1 2
総計 190 80 71

【鉛遮蔽の強化】

AT1320Aの鉛遮蔽は5センチと十分な厚みがあるのですが、センサーの下部だけは遮蔽が少し不十分でした。この部分を手作りの鉛遮蔽強化を施すことで効果を上げている、という話があちこちから聞こえてきましたので、ハカルワカルでもそれをやってみました。

9月11日から鉛遮蔽強化後の測定が始まっています。以前は1000g30分測定のCs137の測定下限値は4.6Bq/kg程度でしたが、遮蔽強化後は3.8Bq/kg程度に下がっていますから、2割程度の改善になっています。1時間測定を行えば、この値を2.9Bq/kgと3を切るところまでもっていけるようになりました。

【微量測定の世界】

鉛遮蔽強化のおかげでCs137の測定下限値が3Bq/kg程度の測定が可能になってきましたが、この下限値すれすれあたりの数値が出る測定になってくると、それが本当にCs137による数値なのかどうかを判定するのが非常に難しくなってきます。シンチレーション式測定機である以上どうにもならない分解能の限界があって、セシウムのスペクトルの近傍に紛らわしい放射性物質があるとその影響で誤検出が出るのは避けられません。特に問題になるのがビスマス214というウラン系列の自然放射能とタリウム208というトリウム系列の自然放射能です。こういう自然放射能は土に入っていたり、雨水に混じって降ってきたりしています。

最近、ハカルワカルで測定した後、新宿代々木市民測定所のゲルマニウム測定機で測定してもらった検体が何検体かあります。その一つが測定番号13082003のある場所の土です。ハカルワカルの測定結果はCs137:13Bq/kg,Cs134:39Bq/kgでしたが、下のスペクトルを見て私はこれを両方ともに誤検出だと判定しました。

600keV付近にかなりのピークがありますが、それはCs137を示す662のところまで伸びていません、さらにCs134が見えるはずの700付近のピークがありません。そうなると、この600付近のピークはBi214 とTl208が出ているだけセシウムの存在は示さないと判断できます。

新宿代々木市民測定所の測定結果ではCs137:6.2Bq/kg, Cs134:不検出(限界値1.6Bq/kg)でした。そこでもらったスペクトルが左下のものです。少し見にくいですが、中央左側の600keVの前後に2本の一番高いピークがあります。これがTl208 とBi214の存在を示すピークです。その2本に比べるとかなり低いピークがより中央付近にあります。それがCs137を示すピークです。Cs134を示すピークは見当たりません。上のハカルワカルの測定結果のスペクトルとよく見比べてみてください。


このようにTl208, Bi214のスペクトルが強く出ていて、Cs137が比較的弱くしか出ていない場合は、その存在を見極めるのは非常に難しくなります。こういう場合に、ハカルワカルの測定結果の数値がいかに当てにならないかがわかると思います。

【微量測定値をどう見るか】

鉛遮蔽強化で5Bq/kg以下の数値も結果としては出せるようになりましたが、そのような数値はあまり信頼できるものではありません。「そこに示されている数値程度の微量な放射性セシウムが存在しているようだ」というくらいに考えて下さい。

食品の場合、微量の検出値が必ずしも「食べないほうがいい」ということを示すわけではありません。その食品を食べる量をよく考えて、他の健康を脅かすリスクなどとのバランスの上で総合判断をする必要があります。そのあたりは、ハカルワカルの勉強会なども参考にしながらいろいろ考えてみてください。

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

広場だより7号 巻頭寄稿文 ハカルワカル映画会を始めたきっかけ

ハカルワカル映画会を始めたきっかけ

測定ボランティア ・事務局メンバー 鵜飼 暁

開室当初は予約で埋まっていた測定依頼が、今年に入って少しずつ空きが目立つようになりました。原発事故がまるで収束してしまったかのような世間の風潮の中、ハカってワカることで本当の安心を得る事が出来る測定室を維持していくためにも、どうすればもっと多くの人にハカルワカル広場の存在を知ってもらい、測定に来てもらえるかを測定室の人達と話し合う中で、原発やエネルギーに関する映画会を実施したらどうかというアイデアが浮かびました。映画会なら、たとえ放射能測定には興味がなくても、原発や自然エネルギー等、関心のあるテーマであれば多くの人に参加してもらえます。そして、映画会の後に放射能に関する学習会を行うことで、新聞やテレビでは得られない正しい情報を、参加してくれた人達に伝えることができる。それが、ハカルワカル広場の存在の大切さを広めていくことにつながると考えたのです。

私自身、昨年の夏に被災地ボランティアに参加した際、現地の人に「日本の社会でこの災害の事が風化していくことが一番怖い。どうか他の人にも被災地の現実を伝えてほしい」と言われた言葉が強く心に残り、八王子に戻ってから、何か地元で自分に出来ることはないだろうか、と思っていた時に出会ったのがハカルワカル広場でした。福島の原発事故以来、意識的に放射能の事を勉強してきたつもりでしたが、本当の意味で放射能の事を知り、放射能の脅威から自分の身を守るすべを持つことができたのは、ハカルワカル広場で測定ボランティアとして、自分でハカってワカる経験をしてからだと思います。これまでハカルワカル映画会では、「内部被ばくを生き抜く」「福島 六ヶ所 未来への伝言」「ミツバチの羽音と地球の回転」「シェーナウの想い」を自主上映してきました。これらの映画を通して今まで知らなかった福島の事やチェルノブイリの事、祝島の人達の事や、ドイツの村シェーナウの事など、今の私たちの生活から切っても切れないエネルギー問題について、深く考えるきっかけを与えてもらいました。

私が尊敬する先人の言葉に、「悪い事をしている人を見て、知っているのに、放っておくのは、悪い事をしている人と同じだけ罪が重い」という言葉があります。以前は福島に原発があることすら知らなかった無知な私ですが、仮に福島原発事故前であれば知らないで済まされた事も、今や知らないでは済まされないのだと自覚しています。そして、一人一人の市民が、放射能の事を正しく学び、賢くなって、声を上げていくことでしか、未来の世代に責任ある社会を築いていくことは出来ないのではないかと思っています。その一助として、ハカルワカル映画会が貢献できれば幸いです。来年三月には、「~放射線を浴びた~X年後」の自主上映会を北野市民センターホールで開催する予定です。是非、友人・知人をお誘いの上、御参加ください。
  

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

11月2日(土)は定例お茶会です。

11月の定例お茶会(前月の測定データについて学習し、さまざまの問題を考えます)。ボランティア、維持会員はもちろん、それ以外の方も参加できま す。汚染水漏れ、福島第一原発四号機の燃料棒取り出しのことなど、決して原発事故は終わっていません。むしろ深刻さを増していると言っても過言ではないでしょう。どうぞ、奮ってご参加くださ い!

11月定例お茶会 : 11月2日(土)10時~12時 ハカルワカル広場にて