7月の測定結果に関してコメントします。
カテゴリー: ボランティアの雑談
雑談をはじめましょう4
「4」に行きます。
余談、雑談、個人的な意見、その他、なんでもありにしていますので、よろしくお願いします。
「ボランティアブログ」ということで、ボランティアとして登録した人しかコメントできません。たくさんの人から「声」をもらいたいのですが、ブログ管理に避ける時間も限られているので「ゲスト書き込み」の世界はまだためらっています。そのうちに勇気を持ってそこに踏み込むかもしれませんが、今のところはまだです。
林洋子さんの「さようなら原発」集会での朗読を聞いて
6。.6.さようなら原発集会@日比谷野音の、林洋子さんの朗読を聞きたくて、また応援したくて参加してきました。(林さんはもちろん、測定室のボランティアスタッフです!) 全国各地からの、原発反対署名に付けられた手紙を、林さんは、その人たちになり変ったように朗読されました。原発労働者の近親者の方、主婦の方、遠い離島の方などの一様でない原発反対の想いを朗読されると、会場は水を打つたように静まりかえりました。「次世代のためにも、自分たちのためにも、もう原発は止めよう」という想いを会場のみんなが共有していた瞬間でした。力強い朗読に、私たちの林洋子さんが朗読されている!と、とても誇らしく感じました。
大江勘三郎さん、落合恵子さんの話も説得力があったけれど、加藤登紀子さんの歌も素晴らしかったけれど、一人ひとりの市民の署名を集める努力がこの運動の基盤なのだと感じ、それを代読される林さんに、心から感謝したいと思いました。寒かったけれど、心は温かになった夜でした。もちろん、デモの後、二人でワインでお疲れ様会をやって帰りました。(西田)
AT1320AのMDA(検出下限値)
MDAというのは、Minimum Detectable Activityの略で、AT1320Aの測定結果では検出下限値として表示されています。
このMDAはどのようにして求めているのかをATMTEXの代理店のアドヒューテックに問い合わせたところ、
このIAEAのドキュメントに載っている計算式による、ということです。
MDAを求めるのに大きく二つの方式があるのですが、ここではCurrieの方式が採用されています。他にKaiserの方式があり、日本ではこちらの方式の方がまだ主流のようです。
このCurrieの方式とKaiserの方式には、かなり考え方に違いがあり、それを理解するのは少し難しいです。
以下の文書などが参考になります。
http://goo.gl/KgEKH
http://goo.gl/SsQfa
Kaiserのバックグランドの測定値の3σを下限値にする方式は割とすんなり理解できると思うのですが、その理解の延長でCurrieを理解しようとすると無理があり、どうにもわからなくなります。私自身もしばらく悩みました。
Currieを理解しようとすると、「値Aと値Bが本当に離れている値として計測できるのかどうか」という異なる視点で見てみる必要があります。そうすれば、見誤ってしまう危険率という概念がわかってくると思います。よーく考えれば、こちらの方がKaiserの方式よりも合理的だとわかります。
Currieの考え方では、バックグランドから有意に離れている値であるかどうかというのを、「実際には離れていないのに間違って離れてしまっていると見る危険率をα、実際には離れているのを間違って離れていないと見る危険率をβとして、そのα、βの危険率を5%にできるところをMDAとする」という考え方です。
このMDA(検出下限値)以下の測定値に関しては、「ないものをあるとしてしまったり」「あるものをないとしてしまったり」という確率が高すぎるわけで、その数値をもとに議論しても意味がないというレベルです。
MDA以下の数値で何かを語りたいという人は、まずMDAの意味を100%理解して、それから語りかける対象の人もMDAの意味を100%理解していることを確認してからにした方がいいでしょう。
日々の測定結果、2012年6月
6月の測定結果に関してコメントします。
月例のお茶会&運営委員会の報告文書
毎月のお茶会と運営委員会で話し合った内容を報告します。
現場でプロジェクタで表示しながら発言内容を書き留めた内容を少し修正した程度の内容になります。きちんとした読みやすい議事録になっていない点はご容赦願います。
みなさんに報告することと、忘れないように記録することを目的にしています。
来週のボランティア 募集
ボランティアスタッフのみなさま、
来週のボランティアシフトですが、シフト表で「2人」となっている時間帯へのご協力をお願いします!
2人ですと、見学来訪者や電話応対など、急な対応ができませんので、各時間帯3名以上(理想は4名)で運営していきたいと思っています。
5日(火)シフト1
6日(水)シフト1
7日(木)シフト2,3
8日(金)シフト2,3,
よろしくお願いします!
2012年5月31日、八王子市学事課長、子ども家庭部課長宛要望書
2012.5.31
山野井学事課課長殿、久間子ども家庭部課長殿
ハカルワカル広場、八王子こどもの未来を守る会
本日は、ハカルワカル広場へのご来室ありがとうございます。
市民が次世代の子どもたちを守りたいと立ちあげた測定室です。
すべて手作り、手弁当、ボランティアで運営しています。
どうぞ、測定の様子をゆっくり見学くださいませ。また、設立の趣旨を理解していただければと思います。
私たちは市と対立するのではなく、お互いに手を繋いで、次世代の子供たちを守るために、協力し合えること
を心から切望しております。
また、以下のことも、要望したいと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
(要望事項)
1.(消費者庁の貸与の機器で)7月からの給食測定において、この測定器の性能に即した有効な測定をお願
いします。(一食分をミキサーにかけて混ぜて測るような測り方はしないでください。それでは汚染されてい
る食品が入っていても全体としては薄まり、「不検出=安全」ということになります。私たちの提案は、汚染
されているだろう食品を(測定室のデータ等を活用して)、素材段階で測定することです。事後測定である給
食まるごとミキサーの測定を行う際は、ゲルマニウム半導測定器で検出限界を十分に下げて測定してください
。
2.測定室との連携を。測定室の測定データや情報のネットワークを使い、汚染の傾向が高い食品を測るなど
効率的に測定してほしい。市民との協働を!
3.7月から給食(素材)の測定結果の全ての数値の公表と、ガイドラインの公表をしてください。
4.測定室への助成をお願いします。(市民のニーズが高く、公益性が高い事業である)。
(これまでの測定検体数 およそ430件 子どもの内部被ばくを防ぎたいと、誰でも測れる安価な値段設定に
しているため、維持会員(年間6000円)の会費で運営している。ぜひ、助成をお願いします。
(以上、ハカルワカル広場と八王子こどもの未来を守る会)
八王子こどもの未来を守る会は、ハカルワカル広場の設立趣旨に共感し、八王子の子どもたちを放射能の内
部被ばくをできる限り減らすために協力して活動しています。
ハカルワカル広場と八王子こどもの未来を守る会からの1~4の要望に加え、八王子こどもの未来を守る会か
ら以下の3点を要望いたします。
5.食材の安全性や検査結果には、個人によりどこまで容認できるか。どこまで信頼できるかに関して考えも
異なります。
教育を行なうにあたり人権を尊重するという最低限の条件を満たすためには、給食を辞退したいと考える家庭
の児童に対しては、家庭から持参する弁当・水筒を許可することが唯一の論理的解決策です。
小学校の給食につきまして、新年度になり柔軟に対応していただいている報告も受けています。しかし、学校
における個別の対応相談では担任や校長が変わった場合、持参が認められなくなるのでは?と不安の声もあり
ます。
現在多くの自治体で弁当・水筒の持参を認めており、本市としましても市として選択制の導入または一律で持
参の許可をしていただきたく再度ご検討下さい。
6.学校給食の牛乳に関しては、東京学乳協議会事務局が公表しているのは
下限値が50Bq/kgの検査結果です。
すでに品川区からは、今行っている50Bqの検査ではなく、もっと数値を下げた検査で数値を公開するよう要望
がでていますが、本市としてはどのような働きかけを現在行っているかをお教えください。
また八王子市独自でも実際に納入された牛乳の検証をゲルマニウム半導体測定器で定期的に行ってください。
7.(立川の東京都の応援について)
東京都の検査の応援(立川の衛生検査所での給食食材の検査)を活用してください。
広大で多くの教育・保育施設のある八王子市では貸与された1台の測定器では、
不十分であることは明確です。
登録している納入業者の協力を得て、検査の活用及び検査の実施が出来るようにしてください。
(以上、八王子こどもの未来を守る会)
学校給食を全部まとめて測るとなぜダメなのか
学校給食を全部まとめて測るとなぜダメなのかを考えてみましょう。
参考に、文科省、学校給食の標準食品構成表からパン食の場合で10~11歳を見てみましょう。一食の給食として食べる総重量がだいたい560gとなっています。一食品だけ100Bq/kgのセシウム汚染があり、あとは汚染がなかったとします。そうすると560gに対して10%を占めれば(56g使われれば)10Bq/kgで出てきます。10Bq/kgが検出限界ならそれ以下の比率だと100Bq/kgの汚染食品があっても見えないことになります。
食品構成表を見てみます。表に出ているのはあくまで平均値ですから、その日その日で見るとある食品だけが多かったりするようなことはあるでしょう。しかしパンの小麦とミルクを除くと、ほとんどの食材は10%の56gは使われそうもないように思われます。
100Bq/kgというのは、消費者庁が食品安全衛生法違反として取り締まるレベルです。消費者庁は「混ぜて薄くなるからいいというものではなく、一品たりともそういうものは流通させてはいけないということです」と明言していました。全部混ぜて測定している限り、そういうレベルのものがあってもほとんど不検出になってしまうということですね。
ハカルワカル広場の4月までの測定データを見てみると、食品で100Bq/kgを越えたものは、椎茸とお茶だけです。給食でお茶の葉を食べることはありません。200Bq/kgで汚染されている椎茸が一人分に28g以上使われるようなことがあればやっとぎりぎりでひっかかってくる、そういうレベルの測定ということです。
こんなことをするくらいなら、椎茸だけ測っている方がまだましです。
給食をまるごと一緒にしてしまって測るのがダメなら、どういう測り方をすればいいというのでしょう。ダメだ、ダメだ、と言っているだけでは何なので、私なりに私案を提案してみましょう。
今の測定室と同等レベルのシンチレーション式の測定器での測定では、1検体の測定に30分程度は必要になります。そうなると、がんばっても1日に10検体程度でしょう。一ヶ月に200検体とか、その程度です。
その程度しか測れないということをまず認識した上で、測定対象にする検体の絞り込みが必要でしょう。絞り込みは次の3点から行います。
- 生産地
- 使用量
- 食品種類
ハカルワカル広場のデータや、その他の測定所の公開データも参考にして、どういう生産地のものが要注意かを調べて、西日本などの安全と思われる産地のものは測定対象から除外します。
使用量に関しては多いものの測定優先度をあげて、ごく少量しか使用しないものは測定対象から除外します。
食品種類は、ハカルワカル広場のデータや、その他の測定所の公開データを参考に毎月の様に危険度の高い食品リストを更新しながら、そのリストにあるものを優先的に測定するようにします。
これらで、月に200検体程度にまで絞り込みます。どうしても絞り込めない場合は、抜き取りにするしかしょうがないでしょう。
絞り込みの作業、測定業務、測定結果の評価・公開、といったようなことを行う市の職員はそれなりに知識と経験を積んでいないと無理です。今までの既存の部署を横断して指導できるような担当者の養成が必要でしょう。そういう担当者の養成には多少の時間が必要でしょうが、ここは急がば回れです。安易な測定プランから無意味な測定を開始するくらいなら、しばらく待ってもしっかりした測定を開始できるようにした方がずっといいでしょう。
どうやって、そういう知識と経験を積んだ担当者を養成するのでしょうか。とても安上がりですばらしい方法があります。担当者に一ヶ月間ハカルワカル広場でボランティアしてもらえばいいのです。
私たちの測定室で連日で一ヶ月ボランティアすれば、測定に関してはかなりの知識と経験を積めます。それに多くの市民との対話もできますから、市のやることとしては一石二鳥の効果を得られます。
私たちとしては、どこかから給料をもらっていてボランティア精神が確認できない様な人をボランティアの一員として迎え入れることは、通常ではかなり慎重になるところですが、市がよりよい測定を実現するためというのであれば、特別に歓迎して受け入れることができるでしょう。
市の職員を受け入れることに対して多少のお金を市が測定室に落としてくれるならそれは歓迎ですが、私たちはケチなことはいいませんからそれがないと受け入れないなどということはありません。ですから、なんと、市としては外部に出て行く予算ゼロで職員を教育することが可能なわけです。
どうでしょう、八王子市はハカルワカル広場と協力しながら消費者庁から貸与される測定器の運用を十分練り上げて最大限に有効活用することが可能なはずです。他の自治体が模範としたいようなそういう測定ができるでしょう。要は、それをやる気があるかどうかです。