9月になったので、「5」に行きます。
カテゴリー: ボランティアの雑談
植物・食品に含まれる自然放射能
日々の測定結果を見ていると、K-40以外にも、ウラン系列、トリウム系列、宇宙線由来の放射能がよく出てきます。
以前から、「なぜ食品などにウラン系列やトリウム系列が入っているのだろうか」という疑問がありました。土には、その大元の天然ウラン、天然トリウムが微量に入ってくる可能性があるので、その系列はあって当然なので、検出されることに疑問はありません。植物などに入っていくには、その崩壊系列にあるどれかの原子が吸収あるいは吸着される必要があるのですが、どういうルートなのだろうかというのが疑問があります。
信州放射能ラボBLOGに興味深いレポートを見つけたので紹介しておきます。
ラドンガス吸着というのは、けっこうありえるということですね。
コンクリート壁の倉庫のようなところにしばらく置いてあった場合、そこでラドンをかなり吸着していて、ラドンの崩壊物もそのまま吸着されたまま残っているので、測定した時にそれらが検出されるということでしょうか。
以前、私も同じようなことを調べるためにバットに薄く水を張って一晩放置する実験をしてウラン系列が増えているのを確認したことがあります。
http://hachisoku.org/blog/?p=274#comment-85
測定室は鉄筋なので、普通の木造よりはラドンガス濃度が高いと思われます。ですから窓を締め切って一晩置くと多少吸着の影響が出たのではないかと見ています。
もう一つやってみたい実験があります。
ペットボトルでラドン水というのを売っています。あらかじめ測定済みの豆を使って、このラドン水でもやしを栽培し、そのもやしを測定したらどうなるのかを調べれば、もやしに吸い上げられた水にラドンも一緒に行っているのかどうかわかります。
誰か、もやし栽培したい人はいないですか?
いたらぜひご協力お願いします。
ハカってワカった話2号 たけのこ、新茶、土、誤検出
たけのこ、新茶、土、誤検出
二宮 志郎
4月12日~7月10日測定結果
前号の続きからこの原稿を書く時点まで(4/12~7/10)のデータの集計表を以下に示します。
検体種類 | 検体数 | Cs137 | Cs134 |
土・砂 | 82 | 78 | 8 |
土混じり植物 | 4 | 4 | 4 |
土・その他 | 4 | 3 | 4 |
泥、泥水 | 0 | 0 | 0 |
池水、川水 | 1 | 0 | 0 |
雨水・雪 | 1 | 0 | 0 |
水・その他 | 12 | 0 | 0 |
葉菜 | 31 | 7 | 2 |
根菜 | 20 | 2 | 0 |
果実 | 21 | 3 | 3 |
穀類 | 42 | 3 | 2 |
きのこ類 | 19 | 11 | 10 |
魚介類 | 5 | 0 | 0 |
肉類 | 0 | 0 | 0 |
卵類 | 1 | 0 | 0 |
水産加工品 | 2 | 0 | 0 |
肉類加工品 | 0 | 0 | 0 |
野菜・果実類加工品 | 5 | 1 | 1 |
穀類加工品 | 8 | 1 | 1 |
飲料 | 14 | 1 | 0 |
食品混合 | 3 | 0 | 0 |
茶葉 | 11 | 4 | 4 |
ペットフード | 1 | 0 | 0 |
芽・茎野菜 | 30 | 14 | 12 |
海草類 | 1 | 0 | 0 |
食品・その他 | 11 | 2 | 3 |
植物葉 | 21 | 11 | 7 |
植物茎・枝 | 4 | 1 | 2 |
植物根 | 0 | 0 | 0 |
木質ペレット | 0 | 0 | 0 |
植物・その他 | 3 | 1 | 1 |
灰 | 5 | 5 | 5 |
炭 | 0 | 0 | 0 |
その他 | 0 | 0 | 0 |
総計 | 362 | 152 | 141 |
測定した総検体数は362です。この3ヶ月間はほとんど予約が空きになることはなく、測定日には5検体以上計り続けました。現在もほぼ3週間分の予約が一杯といううれしい悲鳴状態です。
【たけのこ】
測定室に持ち込まれる検体の中で、食品関係は季節を反映しているものがかなりあります。今回出てきているデータの中では、「芽・茎野菜」というのが30検体あり、そのうち14検体からCs137が検出されています。このほとんどは筍でした。「筍はあぶないらしい」という情報を得て心配になり測定に来られた方もたくさんいました。
Cs137+Cs134で56Bq/kgというのが最高で、30Bq/kg程度が八王子近辺の筍の一般的な汚染値でした。全て100Bq/kgの基準値以下に収まっていることは間違いありません。しかし、福島原発事故がなければ検出されるはずのなかった放射能です。「食べるのはひかえる」、「微量だから食べる」、どちらの選択をする人も、検出値を確認した時にはつらい表情をされていました。例年なら自分で掘った筍を食べる楽しみは格別なはずだったことでしょう。
来年の筍はどのくらい汚染が減ってくれるのか、多少は減ると期待できますが、どのくらいかは測ってみないとわかりません。来年の春の測定結果に注目してください。
【新茶】
椎茸やお茶で検出される傾向は前号に引き続き同じようにあります。今年の新茶はまだ測定数が少ないです。去年より汚染はかなり減っているものの微量な検出があるので、今後も測定を続けて注意していく必要があると思われます。新基準になり、一般食品とは違って飲む状態にして飲料水の10Bq/kgという基準の適用になりました。そのせいで、「不検出」として売られているお茶でも茶葉状態ではかなり汚染されているものがあって不思議はないですから、測定してみる重要度は高いです。
【土】
「土は必ずと言っていいほど汚染されています。」と、測定室でボランティアをしている人たちは毎回の様に口にしていますから、もうそれがあたりまえのような感覚になってしまっています。実際にはそういうことを知らない人の方が圧倒的に多いのでしょう。政府やマスコミはそういう事実を積極的に伝えません。「大地を汚してしまった」ということを直視して認めないで、「影響はない」というようなことだけ言いたいのです。
大地の汚染は遠く小笠原にまで及んでいることが私たちの測定でわかりました。小笠原の汚染は濃縮されている様な場所の土でやっと出てくる程度でしたが、放射能は1000kmくらいは平気で飛んでいくことが実際の測定で確認されたわけです。
【誤検出】
微量な値が検出された時、「誤検出」でないかどうかの検討がいつも必要になってきます。
実は今回の測定結果をまとめた表の中にもいくつかは誤検出と思われるものも入り込んでいます。その場で直ちに「誤検出」と判定できるものはいいのですが、スペクトルを眺めて慎重に判断する必要がある時もあります。
例えば、下のスペクトルは小松菜を測ってCs137が8.2Bq/kgと検出されてしまった時のものです。Cs137があれば662keV、 Cs134があれば605keVと796keVに山が出てくるのですが、それらしき山は見当たりません。微妙な盛り上がりを判断しようと目を皿の様にして何度も見たのですが、これで「セシウム有り」とはとても言えません。結果的に、コメント欄に「不検出」であるということを書きました。
限界値すれすれの微量なところの数値にはいつも悩まされています。
広場だより号 巻頭寄稿文 測定室の活動報告(4月~6月)
測定室の活動報告(4月~6月)
西田照子
土曜日も測定開始
ご希望の多かった土曜日の測定を6月から開始しました。平日お勤めの方もご利用いただけます。心配していたボランティアも、平日は勤めだから、土曜日だけでもボランティアをしたいと希望される方もいて、無事、開室にこぎつけました。当面午前中2枠の測定ですが、どうぞご利用をお待ちしております。
維持会員200名を突破!
ハカルワカル広場は、子どもの内部被ばくを防ぐために設立されました。その為には多くの方に利用していただきたいと、測定料を安価にしています。それで、ボランティアによる無償の測定と、維持会員の皆様の財政的サポートが必須です。健全な運営には、200名以上の維持会員のサポートが必要でした。
その目標を僅か4ヶ月で達成!最近では、測定に来て、私たちの活動に共感して、会員になってくださるかたが増えています。皆さまのご支援に感謝です!
給食の測定方法で市と交渉
5月31日、八王子市の山野井学事課長と久間子ども家庭部課長がハカルワカル広場を訪問。その場で、八王子こどもの未来を守る会の方々や私たちボランティアスタッフで、「市が方針としている給食1食まるごとミックス測定はシンチレーション測定器では、食材の汚染を検出できないこと」を説明し、「給食の素材を測定して欲しい」と交渉しましたが、市の方針を変えることはできませんでした。測定そのものを目的とせず、子どもの内部被ばくを防ぐために有効な測定をして欲しいと、これからも訴えて行きます。
予約外測定と時間延長測定について
みなさんご存知の様に、ハカルワカル広場の運営は全てボランティア活動で支えられています。
基本的な運営形態に関してはマニュアル化してあり、ボランティアのみなさんにはそのマニュアルにそって協力していただいています。
時々、マニュアルにはない事に関して判断が必要になる場合がありますが、それに関してはその日のボランティアリーダー(この登録表で赤字で登録されている人たち)の判断に任せています。
ハカルワカル広場を利用されるみなさんは、どうかこのボランティアリーダーの判断を尊重してくださるようにお願いします。リーダーのみなさんは、他のボランティアの人たちのことも考えないといけませんので、そのリーダーと親しいからといってゴリ押しするようなことは絶対に避けてくださるようお願いします。
「マニュアルにはない事」としてよく判断が必要になるのが、予約がない人の飛び込み測定依頼の受付と、微妙な測定結果が予想されるので時間を延長しての測定です。
飛び込み測定依頼に関して
- 基本的には受け付けない
- 時間に余裕がある場合は現場リーダーの裁量で受け付ける場合もある
- その場合もその日の担当ボランティアに余計な負担がかからないことを十分考慮する
リーダーの裁量にまかせれている部分に関して、ガイドラインの様なものはありませんが、以下の様な点が考慮されています。
- 検体の保存が難しい
- 検体の入手が難しい
- 測定結果が貴重なデータとなり共有される意義が大きい
- 依頼人に来室しにくい事情がある
- 基本的には30分測定で延長はしない
- 1時間測定の測定結果の公表の意義が大きいと思われる場合のみ、事情を考慮した上で1時間測定を行う場合もある
- 測定依頼者の利益にしかならない様な時間延長は行わない
- 2枠分の料金をもらった上での時間延長は測定予約者がいない場合に考慮される可能性はあるが2012年8月現在では認めていない
- 測定結果が非常に微妙で判断がつきにくく1時間に延長することで判断がつきやすくなると思われる
- 検体の種類から、微妙な結果が最初から予想される
- 検体の分量を集めることが難しく、少ない検体量での30分測定では十分な正確さでの測定ができないと思われる
- 測定依頼者が初めてで事情をよく知らずに少量の検体しかもってこなかった場合
日々の測定結果、2012年8月
8月に測定した測定結果についてのお話です。
みかさんを送る会
測定室の事務局メンバーで、水曜日担当の内田みかさんが引越しをされることになり、7月25日のお昼休みに「みかさんを送る会」をしました。
たくさんの方が集まってくださり、和やかで温かい会になりました。みかさんは測定室を作る運動の時からのメンバーで、昨年11月に作り運動中のイベントの測定会で大活躍。その時の 「集った人たちが繋がっていく、温かい交流の場」の原型を築いてくださった方です。温かい、明るい、いつも笑顔の人柄で、測定室の雰囲気を和やかにしてくださいました。ちゃぶ台スペースもその測定会の雰囲気をとどめたいと作ったものです。
別れを惜しむ多くの方々が来てくださいました。林洋子さんお手製のベンガルカレーやおにぎりなどを食べながらの和やかな会になりました。
遠くに行っても、「いつまでもハカルワカル広場の一員でいます」との心強い言葉に励まされながら、お元気でいてくださいと願いました。
測定室が、みかさんの築いてくださった、「温かい交流ができ、元気になる広場」であり続けるように、見守ってくださることでしょう。
みかさん、ありがとつ! そしていつまでもハカルワカルの一員でいてください!
放射線は見える!?
みなさん こんにちは
ボランティアのまやです
今日も今日とて、測定を行っております
さて、今日は霧箱の紹介をさせて頂きたいと思います
霧箱とは……
[WikiPediaより引用]
霧箱(きりばこ、英語:cloud chamber)は、蒸気の凝結作用を用いて荷電粒子の飛跡を検出するための装置。1897年にチャールズ・ウィルソンが発明した。
過冷却などを用いて霧を発生させた気体の中に荷電粒子や放射線を入射させると気体分子のイオン化が起こり、そのイオンを凝結核として飛跡が観測される。霧箱はウィルソンによって実用化の研究が行われたことから、ウィルソン霧箱とも呼ばれる。
[引用終わり]
というもので、早い話が放射線を見えるようにする為の道具です
こちらの動画をご覧頂ければ分かりますが
白く煙のように見えるのが放射線です
宇宙線や、土や岩からもこのように放射線が出ています
「霧箱で汚染土壌のセシウムを見てみました(By サイエンスの森)」
http://www.youtube.com/watch?v=MWm-wo7DoKw
動画では汚染地帯の土壌を観察していますが
線量が低ければ、この白い煙のようなものも少なくなります
なんとなくイメージ掴めましたでしょうか?
食品の測定でも、この白い煙のようなものをセンサで捕まえて
計算して1kgあたりにどれくらいの量の放射性物質があるかを計算しています
目には見えない放射性を出す放射性物質は測ってみないとわからないということですね
放射線は目に見えないから、食べ物にどれだけ含まれているか心配!
という方は、ぜひハカルワカル広場で測定してみて下さい
子供向けの放射線教材
皆さんこんにちは、ボランティアのまやです
寒くなったり暑くなったり、体が追いついていかない気がしますが
ボランティアさんの中にはお子さんがいらっしゃり
夏休みの自由研究に放射線関係のことを書かれる方もいらっしゃるかも?
そんな時にお役に立つかもしれない
資料を発見しましたので今日有させて頂きます
子供の科学のWEBサイト「コカねっと!」の
子供の科学2011年特集企画 PDF無料公開
「どこよりもわかりやすい! 放射線・原発のきほん」
http://www.kodomonokagaku.com/magazine/radiation.php
放射線の事は難しい事ばかりで
大人もこういった資料で基礎を知るのもいいかもしれませんね
資料は全部無料でダウンロードできるので
ぜひご活用下さい
ではまた(*・ω・)ノ
池田香代子さんが見学に来られました!
「地球がもし100人の村だったら」という本の著者、池田香代子さんがハカルワカル広場に、7月5日、突然見学に来られました! 前触れなしだったので、驚きながらの大歓迎! 先日、講演会でお会いした時(もちろん、知り合いではないく、一人の聴衆)、「ぜひ私たちの測定室を見に来てください」とお誘いしたら、本当に来てくださって、2時間半、熱心に、「どうやって作ったのか、どんな方たちが測定に来るのか、どういう食物が汚染されているのか」など、質問されていました。
「ボランティアで運営していること、すべて市民の寄付で測定器を買ったこと、測るだけでなく、交流の場したいこと、子どもの内部被ばくを防ぎたいこと」などをお話ししました。測定に来られている方からお話を聞いたり、スペクトルに関心を示したり、好奇心旺盛でした。
9条世界会議を主催したり、反原発のデモに参加したり、市民運動にかかわってこられた池田さんです。測定結果を渡すだけでなく、依頼者とよく対話していることに、特に関心を示されていました。
ふくはちの保養合宿にも関心をしめされて、、いろいろと質問されていました(かなり早い時期から母子避難を支援されていましたから)。相澤さんの手作りのマカロンを三つ買ってくださいました。また、「世界」の最新号(8月号)を寄付してくださいました。
こうしてわざわざ私たちの測定室を見学に来てくださるのは、本当にうれしいですね。私たちの試みも、少しずつ認められてきているのかもしれないと、勇気がわいてきますね。(西田)