東京新聞掲載核廃絶考える機会に 八王子で来月映画上映と意見交換

ハカルワカル広場 第18回映画会「わたしの、終わらない旅」の記事が東京新聞に載りました。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201802/CK2018021502000121.html

元原発労働者やフランスの反核運動家らの証言から、兵器と原発の二面性を持つ核エネルギーの本質を探るドキュメンタリー映画「わたしの、終わらない旅」の上映会が3月3日、八王子市である。上映後、恵泉女学園大教授(平和学)の上村英明さんと、原発や核問題を考える意見交換会も開く。  (萩原誠)
核廃絶 考える機会に 八王子で来月 映画上映と意見交換

子どもたちを内部被ばくから守るため、食品や土壌の測定をしているボランティア団体「八王子市民放射能測定室 ハカルワカル広場」の主催。

映画では、母の残した原発を問うミニコミ紙をまとめた本「聞いてください」を手掛かりに、坂田雅子監督が再処理工場のあるフランス、核実験の行われたマーシャル諸島やカザフスタンなどを巡り、現地の人に話を聞いていく。

ハカルワカル広場代表の西田照子さん(70)は「被爆した日本として、核兵器は人類と共存できないということをあらためて確認したい」と、上映会を企画した理由を説明する。

上村さんは昨年、「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞授賞式に、日本の被爆者が渡航、出席するための募金活動をした実行委員会の委員長。上村さんに支援の理由や活動の意義などを聞き、ハカルワカル広場のメンバーらと対談する。会場の質問や意見も受ける。

西田さんは「原発を含む核廃絶のため、私たちが何ができるか考えたい」と話している。

会場は北野市民センターホール(北野町)。
午後一時半〜二時五十分に上映、意見交換会は午後三時半まで。
入場料は当日千二百円、前売り千円(障害のある方や高校生以下は無料)。
問い合わせ、申し込みはハカルワカル広場=電042(686)0820=へ。 

2018年総会ー2月3日(土)開催のお知らせ

皆さま

日頃、ハカルワカル広場をご支援・ご協力くださいましてありがとうございます。

さて、2018年ハカルワカル広場の総会を2月3日(土)10時より開催いたします。2017年の活動報告、決算、2018年に向けての活動方針、予算を報告・提案し、ご意見をいただき議決いたします。

なお、総会は1時間程度の予定です。総会終了後に、ハカルワカル広場の活動をさらに活性化するための意見交換会(1時間程度)を計画しています。総会の議決権は会員のみですが、総会、意見交換会にはどなたもご参加いただけます。

短時間のブレーンストーミングによるハカルワカル広場の「活動のアイデア出し」ですので、予め10個ほどメモしてご参加ください。テーマは、放射能測定、ハカってワカった話、子どもを内部被曝・外部被曝から守る、福島支援、避難者支援、関東の汚染地帯、原発立地の実態、原発作業員の実態、原発反対運動、測定室連携、映画会、講演会などです。

奮ってご参加ください!

ハカルワカル広場

安定ヨウ素剤自主配布プロジェクト in tokyo

小児科医の山田真さんからの呼びかけにより、議員や市民とともに安定ヨウ素剤自主配布会を行うことになりました。
できるだけ小さな子どもたちや若い人たちがいる家族を中心に配布できればと思っています。
申し込みは明日1/15からになります。参考に案内を送ります。
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安定ヨウ素剤自主配布プロジェクト in tokyo 始めます

<原発事故の危険性は減少している?>
2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故から7年が経とうとしています。
しかし、危機は相変わらず続いています。破壊された原子炉の底は人が近づけない高線量で、燃料の取り出しもできない状態です。こんな状態でもう一度大地震が起きたら2011年3月を超える大量の放射性物質が飛び出して、とんでもない大惨事になるでしょう。
そして、政府は停止していた他の原発を再稼働させようとしており、日本全体が危険な状態にあります。
本来、原発事故による市民の被害は政府や電力会社が責任を持つべきですが、残念ながら政府は原発事故が起きた時に市民を守るための十分な対策を用意していません。

<安定ヨウ素剤がなぜ必要か>
原発事故はあってはならないことですが、今の状況では自己防衛の必要があります。
原発の事故では多種類の放射性物質が放出されますが、そのうちヨウ素131(放射性ヨウ素)については防衛法があります。事故直後に安定ヨウ素剤を飲むことで、放射性ヨウ素の甲状腺への蓄積を防ぐことができるのです。放射性ヨウ素の影響で、原発事故の被災者には甲状腺がんが発生しやすくなりますので、重要な被害予防策なのです。

<なぜ事前配布なのか>
しかし、政府は、原発から5キロメートル圏内を事前配布対象地域にしているだけです。それ以外の地域で安定ヨウ素剤が備蓄されている自治体もありますが、事故が起きた場合備蓄されている場所に取りに行くことは非常に困難でしょう。ですから、私たち一人一人が手元に置いておく必要があります。
事前配布は本来行政が行うべきことですが、行政に配布を促す意味も込めて、市民が自主配布を行うことにしました。

<安定ヨウ素剤とは>
安定ヨウ素剤は注意して使えば安全な薬とされていますが、ヨウ素アレルギーの人など、飲んではいけない人もいます。そこで、配布会の前に、問診票をお送りし、さらに当日は医師による説明・問診などを行って安全を図ります。

主催:安定ヨウ素剤自主配布プロジェクト
このプロジェクトは、フォトジャーナリスト広河隆一さんが世話人を務めるDAYS救援アクションの呼びかけによって始められ、小児科医山田真さんからの安定ヨウ素剤提供を受け、東京でも市民によって自主配布をしようと企画されました。

安定ヨウ素剤自主配布プロジェクト配布会
東京都内で初めての配布会を下記のように行います。
放射性ヨウ素は、お子さんにより大きな影響を与えます。
私たちは子どもたちを守っていきたいと考えていますが、今回は錠剤しか用意できませんので、錠剤の飲める方が対象です。
皆さまの申し込みをお待ちしています。

◆と き:4月1日(日)
午前:10:30~
午後:14:00~
それぞれ30分前より受付します

◆ところ:武蔵野プレイス 4階 フォーラム tel:0422-30-1905
JR・西武多摩川線 武蔵境駅 南口下車 徒歩2分

◆医 師:山田 真 氏(小児科医)ほか 数名

◆対象者:錠剤を飲むことができる方
100家族 (各回50家族まで)

◆内 容
当日は、申し込み後問診票を提出した方のみ参加できます。
医師による説明(約30分)のあと、医師による簡単な診察を行います。
(その結果、お渡しできないこともあります)
錠剤は無料です。ガイドブック(300円)ご購入をお願いします。

◆申し込み
・1月15日(月)から、定員に達するまで
・最終締め切りは2月28日(水)とします。
・下記メールに
①氏名②住所③電話④人数
⑤参加希望<午前・午後・どちらでも>のうちいずれかを選択
をご記入の上お送りください。
・申し込みいただいた方に、問診票をメールに添付してお送りします。
必要事項が記入された問診票が主催団体に届いた方から参加確認となります。
*いただいた個人情報はこのプロジェクト以外では使用しません。
Email:  youso.project.tokyo@gmail.com

関連ホームページ(こちらにチラシが2枚掲載されています)
http://diary.e-yazawa.her.jp/?eid=877767

2018年1月13日(土)のお茶会のご案内

2018年1月定例お茶会は1月13日(土)10時~12時、ハカルワカル広場にて、です。

前月の測定データを振り返ったのち、「持続可能な生活~ボランティアを通して伝えたいこと~」というテーマで水曜日のボランティアの小林恵美さんにお話しいただきます。小林さんは漆器作りをされています。

小林さんは漆器作りにかかわる中で、漆の器は長い時間生活を潤してくれることを実感し、「漆の話を通して、持続可能な生活を考えたい。電力だけでなく、日々の生活全般のヒントにしてほしい」とのことです。

「原発は物を大切に使いたいと思う私たちの考えと真逆のものです」とも。

お話の後、自分の手の大きさにあった「マイ箸」つくりをします。汚れても構わない服装(エプロンなどあるとよい)でおいで下さい。また材料費120円をお持ち下さい。(オイルマニッシュで仕上げます)。

ご参加をお待ちしております。

ハカルワカル広場

新年のお慶びを申し上げます

明けましておめでとうございます。日頃、ハカルワカル広場の活動をご支援いただきありがとうございます。

ハカルワカル広場は今年1月29日で6周年を迎え、7年目に入ります。開設以来、食品、土壌の放射能測定を続け、客観的、科学的データを積み上げることが脱原発につながると信じ、測定活動を続けています。

さらに、脱原発を実現するため、月1度のお茶会(学習会)、映画会、原発見学ツアーなどを開催し、脱原発の必要性を多くの方に感じてもらいたいと微力ながら努力しています。

今年はさらに多くの方から「こんなことをやったら?」という声を集める仕掛けを作り、活動をさらに進化させたいと願っています。

今年も脱原発へ向け活動して参ります。ご一緒に歩みを進めて参りましょう! どうぞご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

2018年正月

ハカルワカル広場

土曜日開室時間変更のお知らせーー10時~12時までに変更させていただきます

ハカルワカルからのお知らせです。

1)来年(2018年)1月から土曜日の開室時間が10時~12時までと変更になります。測定、またはほかのご相談などは、午前中においで下さい。よろしくお願いいたします。

2)年末年始は次の通り閉室させていただきます。よろしくご了解ください。2017年12月23日~2018年1月8日まで閉室

皆様、よい年をお迎えください!

ハカルワカル広場

ハカってワカった話23号 木くずの汚染はどの程度?

木くずの汚染はどの程度?

二宮 志郎

この3ヶ月間の測定結果を見て、少し気にかかったのが「木工の木くず」です。Cs137の測定値は10.9Bq/kgで誤差範囲が6.4Bqと出ています。検体重量が300gしかないこともあり、10Bq/kgは測定限界に近いところです。スペクトルを見てみましょう。

Cs137が存在する場合の特徴である662kevあたりのピークはほとんどわかりません。640kev〜700kevの範囲が少しバックグランドの赤線より上に来ているという点ははっきりしています。

こういう結果は何とも言いがたく、「微量に存在しているように思われるが、誤検出の可能性もある」というような、何とも歯切れの悪い言い方になってしまいます。はっきりさせるには高精度に測れるゲルマニウム半導体測定器の様なもので再測定するしかありません。

木材の汚染

一般的に木材の放射能汚染はほとんどない、ということになっています。樹木の汚染の大半は葉・枝の部分に行き、樹皮の部分も多少の汚染がありますが、木材に使われる心材・辺材部分への汚染の移行は非常に小さく、林業が可能なレベル(作業者の被曝量が基準値以下)の場所で取れた樹木であれば、最終製品の木材に心配しなければいけないような放射能汚染量がある可能性はないという認識です。

いい機会なので、木材の測定データがネット上にあるか調べてみたのですが、安全だということになっているせいかあまりないようです。ハカルワカルでも木材そのものを測定した記憶はありません。

国立研究開発法人・森林総合研究所というところの人達が震災のあった年の秋に調査をして、「放射性セシウムによる森林や木材への影響について」という報告を行っています。ネットで検索すればPDFファイルが見つかりますから、興味のある方は是非一読をお薦めします。

とても真剣かつ良心的な調査をしていて、私にはとても勉強になりました。一つ驚いたのは、セシウムの樹皮・辺材・心材への数年かけての移行が木の種類によって異なり、スギ心材は特に移行が大きいということです。事故後の初期にほとんど汚染が見られなかったスギ心材も数年後に出てくる可能性があるということです。

植物というのも本当に奥が深いですね。コシアブラの高濃度汚染を知った時にも驚きましたが、「一般的にこうだ」という話には決して収まってくれないものが存在しています。放射能汚染を考える場合、特にそういう点に気をつける必要があると言えます。だからこそ広範で地道な調査活動が重要になってくるのでしょう。そういう分野の研究費が削られないことを望むばかりです。

木材に数Bq/kg〜数十Bq/kg程度の汚染が仮にあった場合を考えてみます。たとえば子どもの学習机の天板がそうであった場合、その天板のせいで子どもが外部被曝する量は無視できるレベルと言えるでしょう。天板は食べることもないし、削った粉を吸い込むこともありません。「表面を削って木くずを口に入れかねない」という話があるにしても、その量は非常に微量で気にする必要はないでしょう。

残念ながら私達の身の回りにはもっと危険なものがたくさんありますね。

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

広場だより23号 巻頭寄稿文 おしどりマコ&ケンさん講演会

おしどりマコ&ケンさん講演会(10月22日 クリエイトホール)講演録

石井 暁子

《きっかけ》

2011年に大阪から東京に引っ越して来て3ヶ月で原発事故が起こった。3月19日から品川の劇場で子供向けのキャンペーンの看板キャラクターとしての出番があった。一緒に出ている芸人は自分のお子さんを避難させているのに、おしどりのファンの子供たちを品川の劇場に集めるということに矛盾を感じたので、お客さんたちに自分が調べたこと、気をつけた方がいいということを伝えようと思った。誰かに何かを伝えるにはテレビや新聞ではなく、一次情報にあたらなければいけないと思い、インターネットで東京電力の記者会見を見ることにした。

当時どれだけすごい数の人が東京から逃げていたか、報道関係者も取材して知っていたのに、そのことはどこのテレビ局も流さなかった。後になって、そのことを告白し、おしどりに謝罪してきた報道番組のディレクターとも仲良くなった。

当時の不定期で長い東電記者会見をできるだけ書き起こし、勉強し始めたが、そうするうちに、テレビでライブ映像として流れる記者会見は、本当のライブより1分程遅れて流され、突っ込んだ質問が出た時など、肝心なところが放送されないようになっていることに気づいた。その遅れは放送事故を防ぐ為のものだと他の記者から聞いた。(突っ込んだ質疑は放送事故?)ずっと手を挙げていても当たらない記者がいて、たまに当たって突っ込んだ質問をすると、ほかの記者からやめろとやじが飛ぶ。知りたいと思う質問をしてくれる人(フリーランスや週刊誌の記者)がやじられるので、加勢しようと思い4月から記者会見に行くことにした。当時は毎日100人ぐらいの人が取材に来ていたが、今は激減しておしどり以外3人という日もあった。

大手の記者は人事異動があるので来なくなるし、フリーランスもほとんど来ていない。当時のことを知る記者がいないのであまり質問が出ないし、記者がふわっとした質問をすると、当時のやりとりを把握していない東電の会見者が都合のいい返事をしたりする。違っている時にはおしどりが突っ込みを入れるので、ご意見番のようになってきている。

《被曝の影響》

原発事故に関係する様々な委員会、検討会で取材者、傍聴者が激減する中、今唯一増えているのは福島県「県民健康調査」検討委員会(福島県立医科大が国の委託で福島県民の健康を調査してその結果を発表している)。おしどりは2011年に初めて一般公開された第4回から取材している。当時記者は15人前後、傍聴者は5人前後だった。2015年後半から増え始め、今は記者が50〜100人、傍聴者も100人近く、海外メディアも来ている。傍聴に来る地元の方に理由を聞くと、近所や学校で病気の人が増えているから何が起きているのか知りたくて聞きに来たという。記者の人数が増えたため、質問は一人一問で時間が来たら終わりなので、地元の人から質問を託される。昨年6月、3人から偶然同じ質問を預かった。運動部の子の方が甲状腺癌、白血病などの病気が多い気がするので、さまざまな疾患での運動部と文化部の割合を聞いてほしいというもの。(事故直後、文科省は3.8μSv/時未満なら校庭で体育や部活をしてもいいという指示文書を出した。一方2012年に除染作業員を守るために厚労省が作った法律では気をつけるべき特定線量下業務とは2.5μSv/時を超えるところ。)検討委員会でこの質問をすると、プライバシーの為調べませんといわれた。また部活動をやめたり、卒業後病気になったとしてもそれはデータに残らない。外仕事、農家の方も傍聴に来る。奇形の野菜を持って来た人は、30年農業をやってきてこんなおかしなものができたのは初めてだという。その方自身も甲状腺癌になって摘出手術をしたし、親戚や身の回りの人にも甲状腺癌が数人出ている。病院は病室が足りないほど混んでいて、お見舞いの人でいっぱいだった。野菜が売れないということ以上に農家の被曝に誰も責任をもたないことが問題。それをもっと議論してほしいと農家の方は言う。福島県農民連の政府交渉では、農業は自営業なので放射線管理区域という概念は当てはまらず自己責任という返事。避難解除になる前に放射線対策をしてほしいといっても、セシウムと共存しながら工夫して生活して下さいと言われて農家の方も怒っている。このような状況で農業を再開できるはずがないのに、農業をしないと賠償されないシステムになっている。また先祖代々の土地と自分の健康を天秤にかけて手放すことなどできないという人もいる。農家の方もこれは風評被害ではなく実害だと言っている。

《汚染ごみのゆくえ》

今だに東北、関東のあちこちに汚染ゴミのフレコンバッグが置かれている。フレコンバッグの耐用年数は3〜5年。雨ざらし、陽ざらしで中から雑草が生えて来るという状態。国が2014年に中間貯蔵施設を作って放射性物質が入ったフレコンバッグを一箇所に集めるよう各県に要請した際、福島県のみが条件付きで受け入れた。その条件とは30年後に福島県外に最終処分場を作り、そこに全ての放射性廃棄物を移動させるというもの。国は要望をのみ、JESCO法という法律に明記された。しかしあまりにその量が膨大なので、減量するために汚染土を再利用しよう、という超ウルトラCな考えが出て来た。

2015年7月から中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会が始まった。汚染土の上に盛り土して、土で土を遮蔽するというが、雨が降れば地下水が汚染される懸念がある。2015年の議論では、再利用される場所は工業用地、堤防、線路などだったが、今年の3月から緑地というのが出て来た。去年の4月に汚染土壌の再生利用を全国の自治体の公共事業として進めることが決まった。環境省の方に自治体の公共事業の緑地とは何かと聞くと、公園のことと言われた。この議論はずっと非公開で行われていたが、おしどりが情報開示請求をし、去年の8月に資料を手に入れた。日本のもともとの再利用してよいクリアランスレベルはセシウムは100Bq/kg以下。数千Bq/kgのものは原子力施設の敷地内に50年保管、管理することになっている。その法律との整合性はどうなるのかと思っていたが、この資料には、8000Bq/kgまでの汚染土を再利用するのは「新概念」と書かれている。

(国が法律違反する場合は新概念!?)100Bq/kgまで放射線が減衰する数百年後まで管理が必要なので、自治体ならなくならないだろうという前提で行う。このような処分方法をしている所が他にあるのか調べたところ、この検討会の指針に「世界的にも前例のないプロジェクト」と書かれていた。

福島県南相馬市で汚染土壌再生利用のモデル実験をし、これをもとに住民向け、自治体向けの手引きを作って、今後十年を目処に全国で再生利用を推進して行くという。先月初めてこの実証実験をやっている場所が公開されたが、市の意向で8000Bq/kg ではなく3000Bq/kgで実験をしていた。この検討会の記者会見に来ているのは環境省記者クラブとおしどりだけ。今は自治体が手を上げやすくするための政策を練ったり、反対が起こらないように国民をどう啓発していくかという議論をしている。反対の声がないのでこんなことがどんどん進んでしまう。

《ドイツのこと》

2014年からドイツの原子力に関する国際会議に呼ばれている。その前後に近所の学校にいって原発事故の話をしているが、ドイツの学生が日本の原発事故のことにとても詳しく、興味があることに驚かされる。国会事故調と政府事故調の報告書をwebの英語版で読んでいる人も多い。なぜそんなに興味があるのかと15〜16歳の学生たちに聞くと「大人になった時にどうすれば第三次世界大戦を起こさずに済むか、それを根底に全ての科目、歴史、外国語、エネルギー政策、外交問題などを学んでいます」「生物の研究をしたくて」「医師になりたくて」など理由はそれぞれ。政治にもすごく詳しくて、中高生でも支持政党が決まっている。また日本の報道の自由について、マスコミの立ち位置についての質問も多い。なぜこんなに質問ができるのかと学校の先生に聞くと、ドイツの教育は、質問をすること、発言をすることに一番重点を置いている。ドイツは民主主義の選挙でナチスのヒトラーを生み出したことをとても後悔していて、それが全ての政策の根底にある。おかしいと思っても意見を言わなかったことがヒトラーを生み出すことにつながったので、最後の一人になっても自分の意見を言う、そういう人間を育てることを教育の根底に置いているという返事だった。

ドイツにはアッセという古い放射性廃棄物処分場があるが、安全と思われていた処分地である塩の鉱山の地層が動いて地下水が入って来るようになり、麓の集落の地下水からプルトニウムが出て人々に白血病や癌が増えた。このアッセの問題がドイツが脱原発に舵をきった大きな要因の一つになっている。今も根本的な解決策はないというので連邦放射線防護庁のインゲ博士に「今後どういう道筋が考えられるのですか?」と質問すると「あなたは民主主義を知っていますか?」と返された。「民主主義は多くの国で採用されているシステムですが、最良のシステムではありません。ドイツは民主主義の選挙でナチスのヒトラーを生み出しました。愚かな市民であれば愚かな代表を選ぶのです。なので、民主主義の選挙を採用するときに重要なのは、愚かな市民であってはならないということ。市民がそれぞれ勉強して、調べて、考えて、判断をして、動かなければいけない。誰か偉い人、政治家、権力者、研究者の意見を待っている状況ではだめなのです。原子力も同じで、唯一の正解などないのだから市民が自分で調べて考えて議論をして、全員で選択肢を探していかなければならない。だから、今後どのような道筋があるのですか?などと質問してはだめなのですよ。」と言われました(笑)

(この後も楽しく勉強になるお話が続きましたが、紙面の関係でここまでのご紹介とさせていただきます。おしどりマコさん、ケンさん、本当にありがとうございました! 文責 石井暁子)

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

11月4日(土)のお茶会のお知らせ

11月定例お茶会は11月4日(土)10時~12時、ハカルワカル広場で行います。

今回のテーマは「原発事故後のケア~~チェルノブイリと福島の比較~~」です。

事故後の政府や県の行政は、被曝した人たちにどういう施策や救済措置をとったのかなどを番組のビデオを見ながら考えていきます。そこから見えてくるものは?

ぜひ、今回もご参加ください。一緒に学びましょう。

ハカルワカル広場

10月の定例お茶会は10月7日(土)です。

10月の定例お茶会は10月7日(土)10時から開催いたします。

今回のテーマは10月22日のおしどりマコ&ケンさんの講演会に向けて、「おしどりマコ&ケンさんの徹底研究」にしたいと思います。これまでのおしどりさんの講演会のビデオを見たり、お二人がどんなことを実践されたかを知り、講演前に予習しておこうという企画です。22日の講演をより実りのあるものにするために、どうぞ、奮ってご参加ください!

とき:10月7日(土)10時~12時

ところ:ハカルワカル広場

テーマ:「おしどりマコ&ケンさんの徹底研究」