12月5日(土)は定例お茶会です。

12月の定例お茶会は12月5日(土)10時~12時です。ハカルワカル広場で行います。

いつものように前月の測定結果をおさらいしたのち、11月29日のハカルワカル映画会「核分裂過程」」の反省会を行います。(映画会はほぼ満員の盛況で、熱気に満ちたよい映画会になりました。ご協力ありがとうございました!)

この映画を上映するにあたり、「なぜドイツは脱原発ができたのか?」という問題意識がありました。なぜドイツにできて、日本ではできないのか。そこをこの映画から学び、今後に少しでも生かしたいと思いました。お茶会では、ドイツの脱原発の歴史や、この映画の背景、また、再処理工場が中止になった真の理由について学習を深める予定です。

皆様、ぜひご参加ください。(会員だけでなくどなたもご参加いただけます)

ハカルワカル広場

広場だより15号 巻頭寄稿文 自然エネルギーを「選び取る」社会へ

自然エネルギーを「選び取る」社会へ、一般家庭の電力自由化を考える

佐々木晃介

あの歴史的な地震・津波、原発事故の大災害から、4年が経ちました。国民一般の意識の中で、福島原発災害は忘れ去られようとしていますが、原発事故はまだ終わっていません。放射能の影響はこれからもずっと続きます。放射能は目に見えないばかりでなく、放射線の人の健康に及ぼす影響や汚染の拡散は私たちを言い知れぬ不安に陥れています。

東京電力福島第一原発事故は、日本のエネルギー政策の積もりに積もった「過ち」の結果といえます。軽んじられた安全規制や核廃棄物問題、意味もなく続けられる核燃料サイクルなどさまざまな「宿題」が置き去りにされ、国の原発への固執こそが、エネルギー安全保障や気候変動問題、電力システム改革などを阻害する要因となっています。

私たちは、過酷な原発事故により、目覚め、その「過ち」に気づきました。

この10年、世界では、環境エネルギー分野は「大転換」の時を迎えています。
資源的に石油がすでに「生産ピーク」を超えつつあり、他方で、世界の風力発電は原発の設備容量と肩を並べ、太陽光発電は原発の半分に達し、3年後には追い越す勢いです。「自然エネルギーは高い」は、すでに過去のものとなりつつあります。

もう一つの「大転換」は、大規模・集中・独占から、小規模・地域分散・ネットワーク型へのエネルギー体制のシフトがあります。本来小規模分散技術である自然エネルギーが低コスト化するにつれて、ご当地エネルギー会社や個人/地域でエネルギーを生み出し、自立する動きが出てきています。どの国でも電力会社は独占巨大資本なので、この大転換は構造変化を伴う大きな社会変容となります。

いよいよ2016年4月には電力小売り自由化、誰でも電力会社を選べるようになります。
2000年から始まった電力自由化がやっと一般家庭にまで及ぶことになります。

原発事故により目覚めた私たちは、どのようなエネルギー社会を目指すのでしょうか。
(1)原子力発電所を全廃する
(2)エネルギー大量消費社会から脱却する
(3)自然エネルギーを飛躍させ、分散型エネルギー社会を作る
(4)化石燃料依存から脱却し、気候変動を抑止する
(5)日本や世界の様々な環境破壊やエネルギー紛争の解決を目指す

一般家庭で電力会社が選べる、これは初めての画期的な出来事です。

それに備えて、原発の電気を買いたくない人に自然エネルギーを届けようと、小売電気事業を準備している会社や生協があります。ところがここに来て、自然エネルギーの電気だと言って売ってはならない、自然エネルギーも原発の電気も石炭火力の電気も、電気は電気、どれも同じものとして扱うという制度を国(経産省)が作ろうとしています。

私たちは、脱原発に向けて自然エネルギーを「選び取る」社会にしなければなりません。

ハカルワカル広場では「自然エネルギーのデンキエラベル勉強会」を7月と9月に行いました。
大勢の方に参加いただき、質問も活発で自分で「選び取る」強い意思が感じられました。
第3回は、12月12日(土)10:00~12:00を予定しています。
小売電気事業者登録状況、自然エネルギー会社紹介、料金システム、制度の問題点を勉強します。

  • 小売電気事業者は電気契約の際に電源構成の内訳の説明義務があります
  • 再生可能エネルギーなど、環境に優しい電力の購入ができます(小売電気事業者に確認)
  • 電源表示は、「FIT電気(固定価格買取制度で交付金を受けた再エネ電気)」は可、「グリーン電力」、「クリーン電力」、「きれいな電気」等の表示は不可

登録小売電気事業者 10月26日現在  48社(資源エネルギー庁ホームページより)
自然エネルギー供給をめざす電力会社紹介 5社(パワーシフトホームページより10/13現在)
自然エネルギーへの転換のために

  • 規模別太陽光発電や洋上風力発電などに対して新たな調達価格の区分を設ける。
  • 小売電気事業リスクを低減し資金調達や小売事業の運用を容易にするために制度を改善する。
  • 調達価格を定めるために必要なコストデータを着実に集積し情報公開を行う。
  • バイオマス発電について、規模や使用する燃料種別等によるきめ細かい条件を定める。
  • 発送電分離や電力取引を視野に、公共インフラとしての送電網への自然エネルギーの優先接続や優先給電を実現し、系統の増強・出力変動への対応などを積極的に行う。
  • 中長期的な自然エネルギー導入の目標を掲げ、実効的な自然エネルギー政策を行う。

最後に、公害による環境問題に関心を寄せ、成長優先の政策を批判し、効率重視の過度な市場競争は格差を拡大させ社会を不安定にすると論じた経済学者の宇沢弘文さんの「豊かさを支える社会システムとは」を掲げておきます。

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

ハカってワカった話15号 減っているのかセシウム土壌汚染

減っているのかセシウム土壌汚染

二宮 志郎

ハカルワカルの呼びかけに応じて、身近な場所で土壌の定点測定を継続してくださっている人達がいます。おかげで、原発事故の影響が継続していることを実感するための貴重なデータ採取が可能になっています。今回はそのようなデータに注目してみたいと思います。

上のスペクトルは八王子市小比企町の2012年
5月(赤線)と2015年10月(青線)の比較です。この間に約3.4年が経過しており、それはセシウム134の半減期の1.7倍になります。その場合のセシウム134の減衰量を計算すると31%になります。796keVのピークは赤線の盛り上がりに比べて青線の盛り上がりは3割程度に減っているように見えます。また605keVのピークは赤線の方ではふたこぶになっている山の左側の位置ですが、青線の方ではこぶが見えなくなっています。3割程度に減って、右側の山の斜面に隠れて見えにくくなっているのだと理解できます。

一方セシウム137の方を同じ期間での減衰量を計算すると92%ということになります。1割程度減るかどうかというところですが、662keVのセシウム137ピークの場所で赤線の盛り上がり部分と青線の盛り上がり部分のヘリ具合はちょうどその程度に見えます。

結局この地点の放射性セシウムの減衰はほぼ物理的な半減期に従っているように見えます。この調子で行くと、現在2000Bq/kg程度あるセシウム137の汚染は30年後にも1000Bq/kg程度残ることになります。

上のスペクトルは千代田区の公園の土を毎年測っている4年分のデータを重ねています。
緑→黄→赤→青 の順で1年間隔で経過しています。数値変遷を括弧内前年比とともに示すと
Cs137:377→286(76%)→208(73%)→194(93%)
CS134: 302→166(55%)→92(55%)→63(68%)
のようになります。物理半減期に従うならCs137は毎年98%に、Cs134は71%に減っていきます。

最初の3年間は物理半減期よりかなり早いペースで減ってくれていたのに、去年から今年にかけては物理半減期に近いペースに減速しています。
おそらく、細かい粒子に付着していたセシウムは雨水が流れる度に細かい粒子の流れと共に少しずつ持って行かれて、そのおかげで物理半減期より早く減っていたのでしょう。そういう細かい粒子が流れ尽くしてしまって、残った付着分は雨水の流れで減ることがほとんどなくなり、物理半減期に近づいてきているのではないかと思われます。

こういう現象があちこちで起こっているのではないかと思うのですが、それを調べることができたのは4年間の定点測定のおかげです。

もう一箇所データを見てみます。
上のスペクトルは新宿区の公園の土で、去年の7月(赤線)と今年の9月(青線)の比較です。ほとんど重なるスペクトルですが、セシウム137を示す662keVのピークは青線の方がむしろ上に来ています。去年に比べて増えているということになります。
測定値でも
Cs137:333→394, Cs134:130→108
となっています。Cs134の数値は減っていますが、物理半減期に従うと1年2ヶ月経過すると130→87程度に減っているはずで、108との差の21は、その程度増えたと考えるのが妥当でしょう。
「増える」ということはあり得るのでしょうか。

それは、私達が「微量放射能漏れ監視プロジェクト」で雨樋の下に置いたゼオライトが毎月汚染値を増やしていることを考えれば、十分あり得ることだと理解できるでしょう。

再浮遊・再降下という形で日々降り注いでいる放射性セシウムは微量ではありますが、集積させて吸着させていくとかなりの量になっていきます。
「再降下の影響で新たに集積する分」ー「再浮遊で出て行く分」ー「流出による減少分」ー「物理半減期による減少分」
この結果がプラスになれば増えることになります。

おそらく新宿区公園の検体を採取した場所は少し窪地になっているとか、何か再降下してきたものを集積しやすい状況になっているのでしょう。

結局、全体で考えれば、物理半減期で減る分以外は単に移動しているだけです。物理半減期より早く減ってくれるところがあれば、早く減った分はどこかに移動しただけの話です。その移動した分を引き受けた場所では、物理半減期より遅く減っていったり、場合によっては増えたりするということになるわけです。

生み出してしまった放射能との付き合いは決して逃れられないですね。

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11月29日(日)『核分裂過程』上映会のお知らせ(東京新聞で紹介されました!)

今年のハカルワカル映画会は1987年製作のドイツ(当時は西ドイツ)映画『核分裂過程』を上映いたします。毎回、一般公開されていない、隠れた名作を上映すると好評をいただいているハカルワカル映画会。今回は『再処理工場建設を止めた南ドイツの村人たちの記録――核分裂過程』を上映します。ドイツの政策を脱原発へと転換させるきっかけとなったヴァッカースドルフ村の闘いを描いたドキュメンタリー作品です。ぜひご覧ください!

【記】
上映映画タイトル:『核分裂過程』〜再処理工場を止めた人々
原題 “SPALTPROZESSE”  1987年 西ドイツ 95分

日時:11月29日(日)開場13:00

映画上映前にワークショップあり(自由参加)13:00〜13:45

ワークショップ①「放射能測定について」

ワークショップ②「電力自由化&ソーラークッカーについて」

映画上映開始 14:00〜 (終了後に意見交流会を予定 16:15頃終了予定)

場所:北野市民センターホール(きたのタウンビル8F)(京王線北野駅下車徒歩3分)
会場案内図(下のリンクをクリック)
http://www.hachiojibunka.or.jp/center/kitano/map.pdf

入場料:前売り 800円 当日 1000円(障害のある方、高校生以下無料)

託児あり:10日前までにハカルワカル広場(電話042-686-0820)まで、ご相談ください。

上映会ボランティアスタッフ募集中!
ハカルワカル広場では、現在、上映会のボランティアスタッフを募集中です。
興味のある方は、このフォームに必要事項をご記入下さい。
後ほど、こちらから詳しい内容を折り返しお伝えいたします。

チケットのお求め方法:ハカルワカル広場で販売中ですが、お電話(042-686-0820)でも前売券をお申し込みになれます。

(当日、前売り券を会場でお渡しします。そこで代金をお払いください)
(注:11月28日の午後3時をもって前売り券の申込みは締め切ります。当日券をお求めください)

 
 
11月26日(木)の東京新聞朝刊多摩版で紹介されました!!!
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『核分裂過程』公式ホームページはこちら
http://www.bekkoame.ne.jp/ha/kook/sub1.html

ドイツ版予告編(ドイツ語のみ)

測定室でボランティアをされてる方の知人でドイツ語を理解できる方が、ドイツ語版予告編の一部を日本語に訳してくださいましたので、以下に紹介します。

他の部分もお知りになりたい方は、是非、11月29日のハカルワカル映画会にお越しください。この予告編で紹介されている部分は、本編に全て含まれています。

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バイエルン州政府は、80年代初めに核燃料再処理工場を計画したとき、カトリック(保守的)で当局に従順な南部の住民がまさか反対に立ち上がるとは思っていなかった。(弾圧される過程で民主主義とは何かを考えるようになり、チェルノブイリを経て、いろんな人たちが反対運動に参加するようになり、1989年に中止に追い込まれた) 核分裂が村分裂を引き起こした。

 

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バイエルン州政府当局の責任者(シュトラウス首相)「ヴァッカースドルフで起こっている衝突は、核エネルギーに賛成・反対の問題でもなければ、民主主義社会における賛成・反対のデモの自由の問題でもない。暴力的で犯罪的な共産主義的・無政府主義的集団が、その3~4倍の共謀者を隠れ蓑にして、その上、さらにその周囲に女・子どもをタテに市民戦争を仕掛けてきている。国家体制を笑いものにして、自分たちが主人になって事を起こそうとしている」

 

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「警官の人と話したら、『あんたはまともだけど、前線にいる連中は、柵を壊す等とんでもない破壊的な連中で、平和的なデモ隊とは言えない』と言ったので、その様に判断するんだったら、私たちがまえに行こうじゃないの。あの柵に私だって何をするかわかりませんよ」

 

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「もはや生活や健康への脅威などを越えて住民の意思を無視して自分たちの意向を通そうとする体制の問題。彼らは警察をまえに押し出して、自分たちはその背後に隠れている」

 

11月7日(土)は定例お茶会です。

11月の定例お茶会は11月7日(土)10時~12時です。

いつものように前月の測定データのおさらいと、映画「イエローケーキ」で見たナミビアのウラン採掘に関連するビデオを鑑賞予定です。「ナミビアのウラン採掘ラッシュ」と言うタイトルです。

原発の放射能被ばくはウラン採掘の時点からすでに始まっており、法整備のされていない、発展途上国を狙って、公害、労働者への被ばくをまき散らしています。このビデオはナミビアのウラン採掘の元労働者、農民、環境学者たちなどへのインタビューを通し、ウラン採掘のもたらす影響に迫っています。

ぜひご参加ください!

 

10月17日(土)「小さき声のカノン」上映会のお知らせ

鎌仲ひとみ監督の映画「小さき声のカノン」の上映会が10月17日(土)北野市民センターホールにて下記要領で予定されています。当日は鎌仲ひとみ監督のトークもあります。チケットはハカルワカル広場でも販売しています。主催はトランジションタウンたま/ 福島子ども支援・八王子です。ハカルワカル広場は共催でお手伝いしています。 ぜひ、ご覧ください!

~福島とチェルノブイリ  国境を越えて「被曝から子供を守る」母たちのドキュメンタリー~

【記】

日時:10月17日(土)

10:05~ 第1回「小さき声のカノン」上映

12:05~ 鎌仲監督お話会(約70分)

13:25〜 第2回「小さき声のカノン」上映

15:25~ 鎌仲監督お話会(約60分)

16:35~「ミツバチの羽音と地球の回転」 18:40分上映終了

場所:北野市民センターホール(京王線北野駅下車徒歩1分)

料金:「小さき声のカノン」前売り1000円 当日券 1200円

「ミツバチの羽音と地球の回転」前売り800円 当日1000円

学生(中学生以上) 500円 小学生以下無料

 

「小さき声のカノン」予告編

 

「ミツバチの羽音と地球の回転」予告編

 

10月3日(土)は定例お茶会です。

10月のお茶会は10月3日(土)10時~12時です。

いつものように、前月の測定結果のおさらいの後、今回は、「世界の原発」について学習します。福島がそうであるように、世界のどこかの原発が事故を起こしても、被害は地球的規模で広まります。だから、原発はノーなのです。

ご参加をお待ちしております。

ハカルワカル広場

9月5日(土) 定例お茶会のお知らせ

9月の定例お茶会は9月5日(土)10時~12時で行います。

先月までの測定データのおさらいの後、「甲状腺がんと初期被ばく」について学習します。ぜひご参加ください!

福島事故の初期被ばくについての調査は非常に不完全なものでした。その問題点を映像と資料によって学習します。

お茶会は会員以外の方も参加できます。関心のある方は是非ご参加をお待ちしております。

ハカルワカル広場

広場だより14号 巻頭寄稿文 金八デモはいま

金八デモはいま

毎週金曜日の午後6時。京王八王子駅近くの船森公園に思い思いに人が集まってきます。原発反対金曜日八王子デモ、略して金八デモの皆さんです。30分の集会の後、駅周辺を約40分、「原発なくたって」を歌ったり、「原発反対!」「安心して、きのこが食べたい」とコールしたり、手作りの風車を掲げたり、プラカードを持ったりして歩きます。「原発をなくしたい」との思いから、自分の意志で集まってくる人たちです。

金八デモは、ハカルワカル広場の有志が呼びかけて始めましたが、今は実行委員会が主催しています。ハカルワカル広場はホームページを担当、また、連絡場所を引き受けて協力しています。2012年9月14日が第1回。3年近くになります。「原発ストップの兆しが見えるまでは続けよう」と決めて、続けていますが、一向にその兆しは見えません。それどころか、福島原発事故はなかったかのように、原発再稼働への準備が進み、人々の関心も薄らいでいます。そんな中、金八デモを続けている皆さんのお気持ちを聞きたいとハカルワカル広場のお茶会で「思いのたけ」を話してもらいました。(西田)

<2015年6月6日 金八デモ参加者とハカルワカルボランティアの交流会>

西田:昨日で金八デモは125回目でしたが雨で中止となりました。金八デモにどのような思いで参加されているのか、その思いを語ってください。

M.Hさん:金八デモ実行委員会で実行委員をしています。これまで124回中120回くらい参加している。みんなで声を上げるのが性に合っている。時々、測定結果のデータを金八デモで報告して欲しい。

H.Tさん:北野に22年住んでいる。金八デモにも時々参加している。

S.Iさん:官邸前に行っていたが、昔と違い、組合動員とかではなく、個人の意思で参加しているところが今は違う。デモを企画するのは大変だと知っている。来たことのない人を誘っているが、なかなか来てもらえない。

K.Yさん:原発の爆発、その後の対応を見て、こんな連中にまかせてはおけないと思い、デモに参加しはじめた。自宅の浸透ますの汚泥を測定し(8000ベクレルあり)、原発の恐ろしさを実感した。

M.Kさん:津波の後、不謹慎かもしれないがこれで社会が変わると思った。そしてデモも政府のやることも変わってきたが、時間が経つと忘れて行く。今の社会に不満を持つ人が増え、集まる機会が増えれば希望がもてるのではないか。

T.Yさん:国会前に行っていたが、遠くて毎週は行けないので、金八は近くて助かる。金八デモを外に向けて発信することも大事。横浜や横須賀でもデモを続けている。それぞれ自分の地元でやることも大切だ。

K.Yさん:参加のきっかけは「秘密保護法」から、安倍政権に絶望と怒りを感じて。自分にとって金八デモは精神安定剤。腹の底から大声を出す。マスコミは萎縮しているが、金八デモには萎縮しないでほしい。女性4人のコールが素晴らしい。

Y.Kさん:初めは国会デモに行っていたが、続けるのは大変。金八デモには気軽に参加できるよさがある。続けているのは原発反対の気持ちを持続するため。気持ちはあっても参加できない友人の分も。楽観視はしていないが考えて行動していく。

A.Hさん:金八デモに初めのうちは何回か参加していた。

M.Oさん:運動を広めてゆくにはそれぞれの地元でやるのがいい。原発に始まり、「標的の村」を見て沖縄への関心が深まった。今は「辺野古に基地を作るな」とコールしている。北海道に帰るが、アイヌのこともようやくわかってきた。

Y.Uさん:母の親友も広島で被爆した。原発があると事故があると思っていた。アイヌを滅ぼした日本人の私である葛藤。だからデモに行き、絵を描く。

K.Aさん:デモの動画撮影という立場で参加している。罵声では外の人に響かないので、肯定的な言葉を使ってもっと外に伝わるように努力してほしい。

二宮:こんなにもいろいろな思いが金八デモを支え続け作っていることが分かった。毎週やっている人に頭が下がる。原発をなくすためにいろいろなことをやっていかねばと思う。

西田:新しい方が入ってくるととても嬉しい。原発反対の思いを可視化する役目が金八デモにはある。デモに対するハードルがあるようだが、それを超えられるような工夫が必要だと思う。最近はデモ行進のときの周りの反応がよくなったと感じる。
次に、実行委員のお一人であるイズミコさんにお話をうかがいました。

<2015年7月2日 イズミコさんインタビュー(聞き手:石井)>

  • 参加者の人数はどのくらいですか?
    ――始めたときは200人、一ヶ月後に100人、その後少しずつ減り、今は30人から40人くらいで推移しています。お花見デモには100人ぐらい来ました。
  • どんなコールをしながら歩くのですか?
    ――なるべくわかりやすく、子どももわかるくらいの言葉を使ったほうがいいかなと思い、「自然を守ろう」「安心して野菜や魚が食べたい」「原発事故は終わってない!」「原発なくても電気は作れる」など。最近は「沖縄とつながろう」「戦争する国絶対反対」などもあります。原発反対で始まったデモの団体なので、それ以外の新しい問題を入れるときは集会時に参加者のみなさんに聞いてみるのですが、問題の根本はつながっているので、だいたい同意していただいています。
  • デモにはいつも警察がつきますね。どのような手続きをしているのですか?
    ――デモは車道を歩くので警察に届け出をしなければなりません(都の交通条例)。毎週一週間前に書類を提出するのですが、その書類は手書きでなければなりません。しかも警察に行って、警察官の前で3部、それぞれにデモのコースも手書きします。中止の時は、その日のうちに中止届を出しに行きます。それから、公園で集会をするために市から(実際は指定管理業者)使用許可証をとり、使用料を980円払います。
  • 金八デモの目的はなんですか?
    ―—原発事故がうやむやにされていることや、深刻な放射能汚染が現在も続いていることを沿道の人に考えてもらいたいと私は思っています。

ただ最近、週1回のデモという今のやり方を続けるほうが良いのか、月1回くらいにしたほうが良いのか、という二つの間で悩んでいます。デモは人数が多いほうが、やっぱり効果的だと思うから、人数を少しでも増やしたいというのが、その根本にある気持ちなのです。金曜日の夜6時という時間帯で、もし参加層が制限されてしまっているのならば、例えば土曜や日曜などの昼間などで月1回に絞って、そこに集結すれば今よりもう少し参加層が広がるのではないかとも思うのです。でも、毎週やっているからこそ、都合の合う時にいつでも参加できるし、また毎週コツコツ続けて、訴え続けているということを高く評価してくださっている方もたくさんおられます。だからその間で現在悩んでいます。

どうしたら、もう少したくさんの人に参加してもらえるデモにできるのでしょうか?
デモで伝えたい問題は、原発問題以外にもどんどん増えてきて、どれもがとても深刻ですが、やはり、音や雰囲気で楽しく元気なデモにして、少しでも沿道の人たちに耳をかたむけてもらえるようにしたいのです。どうか、みなさんのお知恵をお貸しください。

イズミコさん、ありがとうございました。金八デモを続けながらも、そのやり方の面で迷いもあるということがわかりました。誰もが参加しやすい効果的なデモのあり方を考えるのは、これからの私たちみんなの課題ではないかと感じました。(石井)

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。

ハカってワカった話14号 「微量放射能漏れ監視プロジェクト」

「微量放射能漏れ監視プロジェクト」

二宮 志郎

今年の4月から「微量放射能漏れ監視プロジェクト」を始めました。空から降下してきた放射性セシウムが非常に高い率で濃縮される雨樋の排水口付近にセシウムを強く吸着するゼオライトを配置して、それを定期的にハカルワカル広場で測定することで、微量に降下してくるセシウムをとらえよう。というのが測定上の主な狙いです。

まずは地表にある放射性セシウムが再浮遊・再降下の現象でどの程度検出値に出てくるのかを把握して、その後は原発事故や核爆発などで新たな放射能が来たら、微量であっても確実にいち早くキャッチできる体制にもっていきたいと思っています。もちろん、そんな事態を期待しているわけではありません。「そんな事態と紙一重」のような状況に生きていることを忘れずに、そして「そんな心配のない世界にできることをあきらめない」ために、そういう思いがこもっているプロジェクトなのです。

現在17ヶ所の測定点にゼオライトが配置されていて、一回目の測定結果が出揃ってきた状況です。測定結果公開シートのリンクがホームページにあり、それを見れば詳細がわかります。

測定結果を見ると、かなりのばらつきが出ています。浜岡原発のある御前崎市は全く不検出、八王子市内でもいくつかの場所は全くの不検出、しかし出ているところではかなり出ています。Cs137だけで100Bq/kgを超えたのが東浅川町と西浅川町の2ヶ所でした。そのスペクトルは右上図のようになっています。このスペクトルは3本の線が重なっていて、西浅川、東浅川、そして初期測定(ゼオライトを配置する前に測定したもの)です。

西浅川Cs137:132Bq/kg, Cs134:35.8Bq/kg
東浅川 Cs137:141Bq/kg, Cs134:26.8Bq/kg

という検出値が出ています。Cs137,Cs134のピークは2本のスペクトルはほとんど重なっていて、同じような検出量であることを示しています。

100倍近い濃縮が効いているとするなら、1Bq/kg程度に表土を汚染するレベルでも、このくらいの数値は出ます。そういう濃縮がたまたま浅川を地名に持つ2ヶ所で出たということかもしれません。今後の測定の継続でさらに詳しくわかることだろうと思います。

この2ヶ所以外にも、元本郷 Cs137:70Bq/kg、横川町Cs137:46Bq/kg、散田町 Cs137:24Bq/kg、という具合に不検出との間に測定値の分布があります。

今までの測定結果ではまだあまりたくさんのことを語ることは難しいですが、放射性セシウムの「再浮遊・再降下」という現象は確実に起こっているということは言えるでしょう。

高い数値が出る場所は一貫して高いのか、季節による違いがどのくらい出てくるのか、そういうことを観察する上で2回目以降の測定値を見るのがとても楽しみになってきました。このプロジェクトにたくさんの人が参加してくれていることに感謝しています。継続して測定する手間は大変だと思いますが是非よろしくお願いします。またこれからでも新規に参加できますので、興味のある方はご相談ください。測定結果は毎月第一土曜日にハカルワカル広場で行っているお茶会での測定結果のおさらいの時にも紹介していくつもりです。

⇒ハカルワカル広場だよりの主要記事のインデックスは、ここにあります。