福井地裁、大飯原発3,4号機の再稼働を禁じる

あまりに感動する判決が出たので思わず書かずにはいられません。

原子力資料情報室に判決文がアップロードされています。

以下の部分で裁判所が人格権をこのような形で認めているのは実に画期的な判断で、心底感動しました。

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第4 当裁判所の判断
1 はじめに

ひとたび深刻な事故が起これば多くの人の生命、身体やその生活基盤に重大な被害を及ぼす事業に関わる組織には、その被害の大きさ、程度に応じた安全性と高度の信頼性が求められて然るべきである。このことは、当然の社会的要請であるとともに、生存を基礎とする人格権が公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である。

個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制化においてこれを越える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、その侵害の理由、根拠、侵害者の過失の有無や差止めによって受ける不利益の大きさを問うことなく、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。
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このあたりまえの大切なことを、もっと早く司法が認めてくれていれば、あの福島事故もなかったでしょう。
幾千の人々が、裁判所からこの血の通う一言を言って欲しくて住民訴訟を挑んできたことでしょう。そのたび氷のような冷たさで跳ね返してきた裁判所がついにこのような判断をしたこと。そのこと自体が今まで裁判所にひたすら跳ね返されながらもあきらめずに闘い続けてきた人々の偉大な勝利ではないかと思います。