皆さま
いつもハカルワカル広場をご支援いただきありがとうございます。
ハカルワカル広場は、2020年11月から2022年3月まで「10年目の土壌測定プロジェクト」を実施し、多くの市民の皆様に参加いただきました。17か月間で171件の土壌を測定することができました。
ご協力ありがとうございました。
「100年後でもセシウムの放射能は確実に残っている」はここをクリック。
10年間の土壌測定の成果を「10年目の土壌測定プロジェクト報告書」にまとめ、八王子の放射能による土壌汚染を19分類し残留放射能を計算しました。その結果を分かり易く棒グラフで表示し放射能の見える化をしました。
2022年4月2日のお茶会で「10年目の土壌測定プロジェクト」報告書の学習会を行いました。 その時のアンケートの感想(抜粋)は下記です。
- 改めて一度放出された放射能は自然界に残り続けることを学びました。年月が経つと人間は何でも忘れていきますが、これは忘れてはいけない事だと思いました。
- 自分一人ではナカナカ意識を持続させることは困難です。今回の学習会で改めて学習を続けることの大切さを教えていただきました。
- 報告を通して、今でもあちこちに残る放射能の現実を伝えることが出来た事は大変素晴らしく、多くの方に危険性を知ってもらうことが出来たのではないかと思います。
- 今後も土壌測定を続けて行くことが大事だと報告を聞きながら思いました。定点土壌測定プロジェクトを次の10年も継続しましょう。
これらの感想文に触発されて「次の10年目の放射能測定プロジェクト」モニター募集を行うことになりました。
人間は放射能があることを感知できません。放射能は測定器しか感知できないので、測定を続けることが求められます。
測定を続けるためには、市民の皆様のご協力が不可欠です。そしてハカルワカル広場は、お持ちいただいた検体の放射能測定と見える化を行います。皆様との二人三脚で次の世代へ放射能汚染の実態を伝えていきます。
添付チラシをご覧ください。モニターに登録いただき、土壌・苔・野生キノコ・掃除機のゴミ・灰など汚染を表す複数検体を年2回以上お持ちください。測定料は無料です。( 掃除機のゴミ は、年1回程度)
土壌と土付きの苔以外に、野生キノコ、原木シイタケ、掃除機のゴミ、木材やペレットの灰などは放射能汚染の指標になります。定点観測でも、いろいろな所を線量計で測りながら採取でも結構です。
次の10年の放射能測定は、どこの検体(住所でない場所や低い所など)、どのような状態(じめじめ、濡れているなど)を測定受付時に記入していただき、検体分類のキーワードとします。
見える化の報告書は、10年目の報告書と同様にプライバシーの保護に配慮して報告書の作成をいたします。
ぜひ放射能測定モニターにご応募ください。
検体を採取し、測定データを記録し、放射能汚染の実態を次の世代に伝えましょう。
心より皆さまのご参加をお待ちしています。
100年後でもセシウムの放射能は確実に残っている
100年後の放射能はどれだけ残っているのでしょうか。
半減期減衰計算で出すことが出来ます。ここで半減期とは、放射性物質の放射能が半分になる時間のことです。セシウム137の半減期は30.1671年、セシウム134の半減期は2.0648年です。
八王子の土壌のセシウム137と134の測定値から半減期減衰計算を行いました。
下記は、6つのセシウム測定値の半減期減衰計算の結果です。100年後ではほとんど残っていないと思っていましたが、確実に残っていることが分かりました。
放射能は見えないので測定でしか知ることが出来ません。そして半減期減衰計算をすると長期間どれだけ残っているかが分かります。
下記の表の0年の値はCs137+Cs134測定値で、10~100年の値は。Cs137とCs134の半減期減衰計算の合算値です。みなさんいかがでしょうか。恐ろしい放射性物質が環境中に残っていることが「見える化」できました。そのためには放射能測定を定期的に続けることが大切ですね。
上記は、Cs137+Cs134の合算値の半減期減衰計算ですが、Cs137とCs134の別々の半減期減衰計算のグラフは下記です。Cs134は、半減期が2年と短いので26年で放射能値が少数点以下になります。従って30年~100年のデータはCs137のみになります。
100年後にはCs137だけ残り、測定値と100年後の値を比べてみれば、100年後のCs137の放射能値は、測定値の10%が残っています。
「100年後でもセシウムの放射能は確実に残っている」が良く分かります。
Cs137の半減期減衰計算を暗算で考えてみましょう。
測定年から30年経つと50%になります。
測定年から60年経つと25%になります。
測定年から90年経つと12.5%になります。
そして測定年から100年経つと≒10%になる。
Cs134の半減期減衰計算は下記です。
測定年から2年経つと50%になります。
測定年から4年経つと25%になります。
測定年から8年経つと12.5%になります。
測定年から10年経つと3.5%になります。
そして測定年から26年経つと≒0%になる。
Excel計算で半減期減衰計算をしたい方は下記参照
Cs137の半減期減衰計算
=測定値/2^(計算したい経過年数/30.1671)
測定値と経過年数のセル名をいれます。
Cs134の半減期減衰計算
=測定値/2^(計算したい経過年数/2.0648)
測定値と経過年数のセル名をいれます。
注) ^記号は、べき乗計算です。
たゆまず、休みなき努力によってこそ、「信念」は「豊かでゆるぎなき体験」に変わるのです。 (マハトマ・ガンジー)
ハカルワカル広場
2022.6.5
9月3日(土)のお茶会の中で新しい測定器が入ったとのことが報告されましたが、前の測定器の測定データと新しい測定器の測定データの整合性は取れますか?