9月定例お茶会のご案内です。9月1日(土)10時~12時、ハカルワカル広場にて、
「原発輸出を考える」のテーマで行います。
事故の収束もできていない現状で、他国に原発を輸出できるのか?
原発輸出の問題点をぜひ皆さんと一緒に考えたいと思います。
まだまだ残暑厳しいとは思いますがどうぞお出かけ下さいませ。お待ちしております。
ハカルワカル広場
ハカルワカル広場
9月定例お茶会のご案内です。9月1日(土)10時~12時、ハカルワカル広場にて、
「原発輸出を考える」のテーマで行います。
事故の収束もできていない現状で、他国に原発を輸出できるのか?
原発輸出の問題点をぜひ皆さんと一緒に考えたいと思います。
まだまだ残暑厳しいとは思いますがどうぞお出かけ下さいませ。お待ちしております。
ハカルワカル広場
二宮 志郎
前号で シジュウカラの巣の中身から異常に高い放射能が検出されたことを報告しました。その後、7月11日に巣の中身のコケだけより分けて測定しています。その結果、セシウ137と134合わせて約2900Bq/kgと出ました。これは巣箱の中身全体を測った時に比べて約1.7倍の数値で、高い放射能は鳥が集めたコケから来ていることが確認できました。
高いとは言っても、今回一生懸命より集めたコケは30g程度にしかすぎません。「290Bq/kgの土が300gあるのと同じ程度の放射能ではないか」と思う人がいるかもしれません。
3000Bq/kgが30gと
300Bq/kgが300g、どちらが怖い?
そこに含まれている総量の放射能を考えると、
3000×0.03 = 300×0.3 = 90 Bq
ということになり、同じです。ICRPの基準で考えれば、まるごと全部食べたところで、ほとんど人体に与える影響はないということになります。しかし、シジュウカラはきっと「巨大な体を持つ人間と同じ基準を当てはめられたらかなわない」と言いたいところでしょう。
こういう汚染物質から出てくる放射線の影響をもう少し具体的に考えてみましょう。
低密度汚染だが比重が大きい場合
(300Bq/kgが300g)
土の様なものでは、ラジ男(放射性セシウム)は砂粒の様なものの中に含まれています。ですからラジ男の周りには大きな体積の砂粒に相当する物質があります。そういうラジ男が並んでいる様子が前掲の図です。
ここでラジ男がみんな上に向かって小石を投げていることを仮定します。そうすると、上段列のラジ男の小石は上の方に飛んで来やすそうですが、下段列のラジ男の小石は上の方のラジ男を取り囲む物質に妨害されて上の方まで届きにくそうです。ラジ男を取り囲む物質がどのくらいラジ男の投げた小石を妨害するかによりますが、実際砂粒のような物質は空気に比べてはるかにその妨害効果が大です。
高密度汚染だが比重が小さい場合
(3000Bq/kgが30g)
この場合、ラジ男の配置は上の図のようになり、ラジ男を取り巻く物質の範囲はかなり狭く、それ以外のところは空気に満たされています。
見て明らかなように、この場合は下段列のラジ男の小石もかなり上の方に飛んで行きそうです。
結局、このラジ男軍団の上にいて攻撃を受けることを考えれば、後者の方が前者より危険だということになります。
高密度汚染物質はやはり要注意
比重が小さく総量は大きくならないからと言って、高密度汚染物質をあなどるべきではないです。たった30gとはいっても、そこにくっついて生活するシジュウカラ。ましてや子育てまでもするわけです。影響は決して無視していいものではないでしょう。
注)ラジ男の詳しい話は小冊子「放射能ってなんだろう?」にあります。ホームページからダウンロードできます。
福島の今を知ろう! 2018福島視察ツアー
ハカルワカル広場 鈴木 映子
「今年は福島に行こう!」ハカルワカルとして福島を訪ねることが決まったのは、1月の事務局会議でした。福島行きは日帰りでは難しく、測定室がどのような立ち位置で関われば良いか見えない部分がたくさんありましたが、実際に現地を見なければわからないという思いからの決定でした。
福島との足場をどこに置くか考えた時、障害のある方達の支援のために何度も福島に入っている高木千恵子さんに案内をお願いすることにしました。高木さんを通じ、今の福島が抱える問題のひとつ、仮設焼却場の問題を追っている和田央子さんともつながり、今回のツアーの形ができていきました。
初日、途中乗車の和田さんとも無事合流し順調な滑り出し。常磐道から国道6号に入り、最初に向かったのは廃炉作業等に必要な遠隔操作の技術を開発検証する「楢葉遠隔技術開発センター」です。中身はともかくそびえる建造物に圧倒される思いでした。
途中で何度も線量計が鳴るのを聞きながら国道6号を北上。
(←地図をクリックすると拡大出来ます。)
その後「富岡町最終処分場」へ。8000~10万㏃/kgの指定廃棄物が持ち込まれますが、入口付近で1µSv/hを越え、早速の驚きでした。マスクもせず一日立ち尽くす誘導員の姿に胸が痛かった・・。
桜で有名な夜ノ森駅周辺は道の両側が帰還困難区域でバリケードが張られていました。
また「浪江町仮設焼却施設」はたくさんの方が津波で亡くなった請戸港のすぐ近く、町のあった跡に荒涼と広がる草原の中に建っていました。
宿泊先の「双葉屋旅館」は2016年7月の避難解除に伴い小林さんご夫妻が営業を再開した旅館です。
宿ではくつろぐ暇もなく連続講座でした。
食前は和田さんの説明。仮設焼却施設や実験施設に大手ゼネコンだけでなく軍需産業まで関わっているとのこと、驚きと絶望的な気持ちに包まれました。
食後は、旅館の女将友子さんと原発で仕事をしてきた白髭さんのお話でした。20mSv帰還政策に憤りながらもこの土地で生きる覚悟をし、少しでも良い方向を模索し続ける生き方に心打たれました。
翌朝、双葉屋さんを拠点に実践を積んできた「チェルノブイリ救援・中部」の河田昌東(まさはる)さんが偶然いらっしゃるとのことでお話を伺いました。内部被ばくを詳しく知りながら、この地で生きると決めた方達が少しでも安全に希望をもって生活できるよう、共に考え実践している方のお話に深い感銘をうけました。
その後河田さんや小林さんが立ち上げた「放射能測定センター南相馬」を訪問。「菜の花プロジェクト」の品々を買い込み、カンパも渡しました。
最後は吉沢正巳さんの「希望の牧場」へ。汚染され殺される運命だった牛300頭を今も飼い続け、エネルギッシュに訴えを続ける姿に励まされた思いです。
ハードなスケジュールとなってしまいましたが、福島にどう関わっていけば良いのか、少し見えたような気がして現地を後にしました。
写真 槌谷 正勝
和田央子さんのブログより
『6月16日(土)八王子の市民測定室「ハカルワカル広場」の皆さんと浜通りのツアーを実施しました。‥‥この日は駅前の双葉屋旅館へ宿泊。着いてすぐ夕食前に学習会。ようやくパワーポイントを使って詳細を伝えたところ、皆さんからびっくりするほどの拍手喝采をいただきました。』
浜通りをご案内いただいた和田央子さん、ありがとうございました。
ハカルワカル広場主催 福島視察ツアー 参加者アンケート概要
今回の福島視察ツアーに参加した皆様からお寄せいただいたアンケートの一部を紹介いたします。
ツアー全般への感想、ご意見のほか、3)ご自身と福島とのつながり、という観点からの声をお聞かせいただきました。