さる、3月27日の八王子市議会において、「国内の原発の再稼働を中止し、建設中の原発の建設凍結を求める国への意見書」という議案は次のように否決されました。
八王子市議会は、2011年6月、「原子力発電から撤退し、自然エネルギーへの転換を求める意見書」を全会一致で採択し、衆参両議院議長、内閣総理大臣、および他の六大臣あてに提出しています。
この経過を考えますと、今回の否決は、2011年の議決から後退したと言わざるを得ず、大変残念な結果です。
皆様のご参考になればとここに公表する次第です。
賛成10名 反対25名 退席1名
*賛成
共産党(5人) 山口和男 松本良子 山越拓児 鈴木勇次 青柳有希子
社民・ネット・自治の会(3人) 陣内泰子、鳴海有理、井上睦子
諸派(2人) 大久保賢一(無所属)、小林裕恵(維新の党)
*反対
自民(11人) 馬場貴大、吉本孝良、鈴木基司、浜中賢司、伊藤祥広、福安徹、伊藤裕司、水野淳、高木順一、
塚本秀雄、鈴木玲央
公明(9人) 西本和也、渡口禎、美濃部弥生、中島正寿、松村徹、荻田米蔵、五間浩、小林鈴子、市川潔史、
市民・民主クラブ(4人) 星野直美、安藤修三、伊藤忠之、森英治
諸派(1人) 及川賢一(無所属)
*退席
市民・民主クラブ(1人) 相澤耕太
小林信夫(公明党)議員は議長のため裁決に参加せず。
また、意見書は次の内容です。
この意見書は八王子市で原発反対の運動をしている次の8団体が要請しました。
八王子市民放射能測定室「ハカルワカル広場」/ 原発反対八王子行動「金八デモ」 / 放射能から子どもを守ろう原発ゼロへの会/ 八王子市民のがっこう「まなび・つなぐ広場」/ 福島子ども支援・八王子 / 八王子協同エネルギー / 八王子市議会をよくする会 / トランジションタウンたま
国内の原発の再稼働の中止と建設中の原発の凍結を求める意見書(案)
2011年3月11日の東京電力福島第一原発の事故は未曾有の災禍をもたらした。その被害地域の広さ、被災者の数において、史上まれにみる最悪の事故であることは論を待たない。今なお故郷に帰れず避難を余儀なくされている人たちが12万人もいる。放射能の汚染水は海に流出し続け、「除染」された残土は野積のままであり、いまだ福島原発事故は収束していない。
しかし、政府は福島原発事故の収束宣言を出し、川内原発の再稼働を行うと明言している。川内原発は、近くに桜島や阿蘇山など、噴火規模が拡大するリスクをもった活火山がある。さらに政府は、住民の避難が極めて困難な高浜原発の再稼働も目指している。
一方、建設が再開された大間原発について、立地から30キロ圏内にある対岸の函館市が、市民の安全を保証できないという理由で、建設凍結を訴えて訴訟を起こしている。
昨年5月21日の福井地方裁判所の大飯原発差止め判決は、250キロ圏内の住民には差止めの請求権を認めた。
浜岡原発から160キロ、柏崎刈羽原発から180キロにある八王子市は、同判決をふまえれば差し止めの請求権が認められる当事者である。日本のいずれの地でも二度と福島のような原発事故を起こしてはならない。
したがって、八王子市議会は住民の生命と安全を守ることを最優先とする立場から、国会及び政府に対して川内原発をはじめ全ての再稼働を中止し、建設中の原発の凍結を求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
八王子市議会
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
経済産業大臣
環境大臣