15053003、多摩川の付着藻類のスペクトルが少し気になります。 http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3280 これです。 Cs137,134ともに検出されています。多摩川の藻類で、泥も激しく付着していますから、それは非常に有り得そうなことです。 問題は、370keVあたりの激しいピークです。 ここに出るピークは普通はPb214の352keVが出ているのであろうと判断します。Pb214はウラン系列の自然放射能で、一般的によく検出されます。 I131のピークが365keVが非常に近いので、よくI131がPb214のせいで誤検出されます。基本的に半減期8日のI131が福島由来の影響で見られることはないので、I131らしきピークが出てもまず疑ってかかります。 しかし、それにしてもこの370keVあたりのピークは激しいので、少し気になります。ウラン系列が出ているのであれば、系列にある他のガンマ線エネルギーピークも出てきます。 先日、ウラン系列の見本スペクトルになるような熔燐の測定データがとれています。スペクトルは http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3256 これです。 Pb214が放出するガンマ線の一覧は http://wwwndc.jaea.go.jp/cgi-bin/gamint.cgi?214PB_B-.txt これですが、特に強くだすのが 242,295,352keVになります。 熔燐のスペクトルを見るとこの3本がしっかり出ています。 ウラン系列が強く出るスペクトルには同様の傾向があり、雪を測った時のスペクトルでもそれがしっかりわかります。 http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=2632 一方、この付着藻類は370keVあたりだけに強いピークがあり、Pb214に特徴的な他の242,295keVに強いピークが見られません。熔燐のスペクトルと重ねてみればよくわかります。 http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?spoint=0&epoint=256&fdir=d2012&fnum=3280,3256 こうなってくると、これはヨウ素131が出ているのでは考えざるを得なくなってきます。 他にも多摩川の別の場所でゲルマニウム半導体測定器で測定してヨウ素131が検出されたというレポートを最近受けています。 医療廃棄物という可能性もあるのでしょうが、 多摩川のヨウ素131はどこから来ているのか? 恒常的に検出されるとなると、恒常的に排出しているどこかがあるということでは、それは大きな問題ではないでしょうか? ちょっと気になるところです。 返信
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0131 「医学・薬学的使用」の項目を読めば、 「治療目的で意図的にヨウ素131を投与する際には、数億~数十億ベクレルを投与する。」 バセドウ病の治療にはそういう治療法があるようです。その場合投与後数日間は患者の尿からは数百万〜数千万ベクレルのレベルでI131が排出されるだろうと思われます。 そういうのがたまたま排水に紛れ込んで(たまたまがあっていいものかどうかは置いておいて)、という可能性が全国のあちこちでたまにヨウ素131が検出されることの説明になっているようです。下水処理上の排水や汚泥からなら、そういうことがあっても不思議ではない気がします。 しかし、観測場所は多摩川です。平均流量は毎秒で20トンです。 10億ベクレルのI131を1Bq/kgの濃度に希釈するのに必要な水は100万トンです。毎秒20トンの水で薄めていくと14時間ほどかかります。うまい具合に拡散されなくて、どこかに淀んでしまってる場合など、高濃度で長時間存在する可能性は否定できません。 さらにしかし、ヨウ素131らしきものが検出された場所は2ヶ所でその間は1キロほど離れています。観測日時は2ヶ月ほどあいているので、I131の半減期が8回程度過ぎている思います。 単発で10億ベクレルほど排水されたというのでは説明しにくいように思えます。 返信
多摩川のヨウ素131の出所が何処か、とても気になりますね。 ところで、会報で取りあげて頂いたジャケットの件ですが、ほとんど同じ様な測定数値のジャケットの存在を偶然知りました。最近、福島から避難された方が原発事故以来約2年弱着用されてたジャンパーとの事です。 http://takatsuki-sokuteisyo.blog.so-net.ne.jp/2014-09-29-1#more 高槻市民放射能測定所、シンメトリック社の「ZIP」での計測との事です。 このページから推し量ると私よりも使用頻度が多いはずですし、未洗濯とのことですので、もっと高い線量になる筈かと思うのですが…。計測方法等の違いによるものなのでしょうか? いずれにしても、普段身につけているものの中に危険が潜んでいる事をもう一度精査する必要性を感じました。例えば、卒業時までほぼ買い替えることのない学生服など(特に汚染されている地域で)大丈夫なのでしょうか?まだ、成長期の子供達だけにとても心配になります。 返信
5月30日に測定してI131らしきスペクトルが出ていた検体を2週間後の6月13日にもう一度測っていただきました。 I311は半減期8日なので、2週間経つと3割程度に減っているはずです。 その比較スペクトルを見ましょう。 http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?spoint=0&epoint=256&fdir=d2012&fnum=3302,3280 365keVのI131のところだけかなり減っています。3割程度に減るはずという事実に見事に一致しています。 これで、この多摩川の付着藻類にかなりヨウ素131が含まれていたということは間違いないと考えていいでしょう。 6月13日には新しく採取した付着藻類の測定も行いました。これは検体量が157gで100cc容器を使っての測定でした。1時間測定をしたものの感度はかなり落ちています。 スペクトルはこれです。 http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3303 この感度では結果は何とも言いがたいところですが、前回採取のものとスペクトルを重ねてみると http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3303,3302 かなり似た感じになっています。微量なヨウ素131がこちらにもあるのではないかという疑いは強いです。 総合的に考えて、多摩川の八王子から日野にかけての流域がかなり広範囲にI131による汚染があったと思われます。 これが一時的なものか、恒常的なものなにかは、なんとも言えません。 東京都下水道局で測定している汚泥焼却灰の放射能測定結果5月29日発表分がこれです。 http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0940.htm 八王子水再生センターだけヨウ素131が26Bq/kg検出されています。 汚染源はここからというのが一番怪しいところです。 それにしても下水処理場の汚泥焼却灰と多摩川の付着藻類では、同じ検出でもかなり汚染スケールの深刻さに違いがあります。 汚泥焼却灰のヨウ素131検出というのは、ほんの氷山の一角を示しているだけで、実は大量に処理水として流しているのではないか?そういう疑念が強く持たれるところです。 返信
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infmenuoshi.htm このページで6月17日現在見れる範囲では、八王子水再処理センターの汚泥焼却灰の放射能測定データにヨウ素131は2回検出されています。 発表4/17, 採取期間4/2〜4/8: 不検出 発表5/1, 採取期間4/15〜5/1: 31Bq/kg 発表5/15, 採取期間4/23〜5/7: 不検出 発表5/29, 採取期間5/12〜5/19: 26Bq/kg 発表6/12, 採取期間5/25〜6/2: 不検出 もっと過去分のデータも http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infmenuoshib0.htm このページにあるようです。 返信
八王子水再処理センターの汚泥焼却灰の放射能データの過去分を全部まとめてみました。 https://docs.google.com/spreadsheets/d/1eCGNd5RKZCj5VH81xSGJvk1uNNeu1XHlYc8deC5tGy0/edit?usp=sharing 時々、ヨウ素131が検出されていますが、検出のされ方にあまり規則性はない感じです。散発的な汚染が発生していて、それが多摩川の付着藻類にまで出てくるほどの量になっているのではないかと思われます。 ついでにセシウムも記録しておきました。 グラフを見ると、最初の1年で急激に汚染値が下がっていることがわかります。流れやすい汚染表土が流れ終わるまでの期間の間は急激に減ったのであろうと思われます。 返信
15053003、多摩川の付着藻類のスペクトルが少し気になります。
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3280
これです。
Cs137,134ともに検出されています。多摩川の藻類で、泥も激しく付着していますから、それは非常に有り得そうなことです。
問題は、370keVあたりの激しいピークです。
ここに出るピークは普通はPb214の352keVが出ているのであろうと判断します。Pb214はウラン系列の自然放射能で、一般的によく検出されます。
I131のピークが365keVが非常に近いので、よくI131がPb214のせいで誤検出されます。基本的に半減期8日のI131が福島由来の影響で見られることはないので、I131らしきピークが出てもまず疑ってかかります。
しかし、それにしてもこの370keVあたりのピークは激しいので、少し気になります。ウラン系列が出ているのであれば、系列にある他のガンマ線エネルギーピークも出てきます。
先日、ウラン系列の見本スペクトルになるような熔燐の測定データがとれています。スペクトルは
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3256
これです。
Pb214が放出するガンマ線の一覧は
http://wwwndc.jaea.go.jp/cgi-bin/gamint.cgi?214PB_B-.txt
これですが、特に強くだすのが
242,295,352keVになります。
熔燐のスペクトルを見るとこの3本がしっかり出ています。
ウラン系列が強く出るスペクトルには同様の傾向があり、雪を測った時のスペクトルでもそれがしっかりわかります。
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=2632
一方、この付着藻類は370keVあたりだけに強いピークがあり、Pb214に特徴的な他の242,295keVに強いピークが見られません。熔燐のスペクトルと重ねてみればよくわかります。
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?spoint=0&epoint=256&fdir=d2012&fnum=3280,3256
こうなってくると、これはヨウ素131が出ているのでは考えざるを得なくなってきます。
他にも多摩川の別の場所でゲルマニウム半導体測定器で測定してヨウ素131が検出されたというレポートを最近受けています。
医療廃棄物という可能性もあるのでしょうが、
多摩川のヨウ素131はどこから来ているのか?
恒常的に検出されるとなると、恒常的に排出しているどこかがあるということでは、それは大きな問題ではないでしょうか?
ちょっと気になるところです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0131
「医学・薬学的使用」の項目を読めば、
「治療目的で意図的にヨウ素131を投与する際には、数億~数十億ベクレルを投与する。」
バセドウ病の治療にはそういう治療法があるようです。その場合投与後数日間は患者の尿からは数百万〜数千万ベクレルのレベルでI131が排出されるだろうと思われます。
そういうのがたまたま排水に紛れ込んで(たまたまがあっていいものかどうかは置いておいて)、という可能性が全国のあちこちでたまにヨウ素131が検出されることの説明になっているようです。下水処理上の排水や汚泥からなら、そういうことがあっても不思議ではない気がします。
しかし、観測場所は多摩川です。平均流量は毎秒で20トンです。
10億ベクレルのI131を1Bq/kgの濃度に希釈するのに必要な水は100万トンです。毎秒20トンの水で薄めていくと14時間ほどかかります。うまい具合に拡散されなくて、どこかに淀んでしまってる場合など、高濃度で長時間存在する可能性は否定できません。
さらにしかし、ヨウ素131らしきものが検出された場所は2ヶ所でその間は1キロほど離れています。観測日時は2ヶ月ほどあいているので、I131の半減期が8回程度過ぎている思います。
単発で10億ベクレルほど排水されたというのでは説明しにくいように思えます。
多摩川のヨウ素131の出所が何処か、とても気になりますね。
ところで、会報で取りあげて頂いたジャケットの件ですが、ほとんど同じ様な測定数値のジャケットの存在を偶然知りました。最近、福島から避難された方が原発事故以来約2年弱着用されてたジャンパーとの事です。
http://takatsuki-sokuteisyo.blog.so-net.ne.jp/2014-09-29-1#more
高槻市民放射能測定所、シンメトリック社の「ZIP」での計測との事です。
このページから推し量ると私よりも使用頻度が多いはずですし、未洗濯とのことですので、もっと高い線量になる筈かと思うのですが…。計測方法等の違いによるものなのでしょうか? いずれにしても、普段身につけているものの中に危険が潜んでいる事をもう一度精査する必要性を感じました。例えば、卒業時までほぼ買い替えることのない学生服など(特に汚染されている地域で)大丈夫なのでしょうか?まだ、成長期の子供達だけにとても心配になります。
5月30日に測定してI131らしきスペクトルが出ていた検体を2週間後の6月13日にもう一度測っていただきました。
I311は半減期8日なので、2週間経つと3割程度に減っているはずです。
その比較スペクトルを見ましょう。
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?spoint=0&epoint=256&fdir=d2012&fnum=3302,3280
365keVのI131のところだけかなり減っています。3割程度に減るはずという事実に見事に一致しています。
これで、この多摩川の付着藻類にかなりヨウ素131が含まれていたということは間違いないと考えていいでしょう。
6月13日には新しく採取した付着藻類の測定も行いました。これは検体量が157gで100cc容器を使っての測定でした。1時間測定をしたものの感度はかなり落ちています。
スペクトルはこれです。
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3303
この感度では結果は何とも言いがたいところですが、前回採取のものとスペクトルを重ねてみると
http://yoyaku.hachisoku.org/spectrum/show_spectrum.cgi?fdir=d2012&fnum=3303,3302
かなり似た感じになっています。微量なヨウ素131がこちらにもあるのではないかという疑いは強いです。
総合的に考えて、多摩川の八王子から日野にかけての流域がかなり広範囲にI131による汚染があったと思われます。
これが一時的なものか、恒常的なものなにかは、なんとも言えません。
東京都下水道局で測定している汚泥焼却灰の放射能測定結果5月29日発表分がこれです。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0940.htm
八王子水再生センターだけヨウ素131が26Bq/kg検出されています。
汚染源はここからというのが一番怪しいところです。
それにしても下水処理場の汚泥焼却灰と多摩川の付着藻類では、同じ検出でもかなり汚染スケールの深刻さに違いがあります。
汚泥焼却灰のヨウ素131検出というのは、ほんの氷山の一角を示しているだけで、実は大量に処理水として流しているのではないか?そういう疑念が強く持たれるところです。
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infmenuoshi.htm
このページで6月17日現在見れる範囲では、八王子水再処理センターの汚泥焼却灰の放射能測定データにヨウ素131は2回検出されています。
発表4/17, 採取期間4/2〜4/8: 不検出
発表5/1, 採取期間4/15〜5/1: 31Bq/kg
発表5/15, 採取期間4/23〜5/7: 不検出
発表5/29, 採取期間5/12〜5/19: 26Bq/kg
発表6/12, 採取期間5/25〜6/2: 不検出
もっと過去分のデータも
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infmenuoshib0.htm
このページにあるようです。
八王子水再処理センターの汚泥焼却灰の放射能データの過去分を全部まとめてみました。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1eCGNd5RKZCj5VH81xSGJvk1uNNeu1XHlYc8deC5tGy0/edit?usp=sharing
時々、ヨウ素131が検出されていますが、検出のされ方にあまり規則性はない感じです。散発的な汚染が発生していて、それが多摩川の付着藻類にまで出てくるほどの量になっているのではないかと思われます。
ついでにセシウムも記録しておきました。
グラフを見ると、最初の1年で急激に汚染値が下がっていることがわかります。流れやすい汚染表土が流れ終わるまでの期間の間は急激に減ったのであろうと思われます。